その事件とは、イランから出稼ぎにやって来た男が、居酒屋の女店主を暴行し金品を盗んで店主もろとも店に火をつけ殺したという凶悪事件でした。
事件後、イラン人はすぐに逮捕されたが、他にも強盗や恐喝、婦女暴行など余罪がたくさんあったと聞きました。
その沢山ある余罪に実は私も含まれていて、告訴はしてませんが、私は隠れ被害者なんです。
私が被害にあったのは放火殺人事件が起こる一月前。
部活からの帰り道、季節は冬だったので夕方6時で辺りは真っ暗。
私は外灯もない暗い道を自転車で走っていました。
すると、急に木の影から人が飛び出してきて自転車ごと私は突き飛ばされました。
そして私が起き上がろうとする前に突き飛ばした人が私にのしかかりナイフなのか包丁なのか分からないけど、鋭利な刃物を顔に近付け「声出すな」と脅してきました。
私は身体がガクガクと震え声にならないほど怯えました。
その人は私の腕を掴み立たせると、私を草むらに連れて行き、そこで襲ってきました。
私は恐くて恐くて目を閉じて早く終わる事を祈りました。
どれ位時間が経ったのか分かりませんが、私が気がつくと、その人すでに去った後でした。制服はビリビリに破かれ、身体中には擦り傷だらけで、下着は無くなっていました。
処女だったので下半身の痛みもあったけど、それよりも、親に見られたら何て言い訳しようか悩みました。
そして家に帰ると、やはり親に見つかり心配されましたが、自転車で転んだと嘘をつきました。
後日、ニュースを見たらあの日微かに見えた私を襲った人の顔がTVに出ていてビックリしました。
もし、あの時抵抗したり叫んだりしたらと考えるとゾッとします。