母と兄と私が…

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母と兄と私が…
幼少というのではないのですが、いまから十五、六年前のことで、私が高校
二年の時でした。
父を早くに亡くして、北陸の貧しい山村での私と五つ上の兄と母の三人暮ら
しでした。
母と兄は営林署の管理する山の間伐人として働いていて、貧しいながらもそ
れなりに生活していたところへ、ある時唐突に父の実の弟が同居するようにな
ったのです。
詳しいいきさつは私は知らなかったのですが、五十を少し越えたくらいの叔
父という人物に、私はあまり好感は持てませんでした。
そして叔父が住みつくようになって間もなく、おぞましい事件に私は遭遇し
てしまったのでした。
その日は日曜日で、母だけが仕事に出て兄は街へ友達と遊びに出かけたの
で、私は母のために弁当をこしらえて昼前に山に入りました。
八月の暑い日でした。
高い杉林の中を歩き進むと、母がいつもいるであろうはずの場所の近くまで
来ると、
「い、いやっ…な、何すんのっ」
と叫びに似たような声が山の斜面の下のほうから聞こえてきたのです。
それは間違いなく母の声でした。
しばらく草むらを下りると、雑木の茂った向こう側に平地があり、そこで野
良着姿の母が誰かと取っ組み合っていたのでした。
私は咄嗟にそして何故か無意識に雑木の茂みの陰に隠れていました。
「や、やめてっ…ああっ」
母はその平地の草の上に仰向けに倒されていて、あろうことかもう下半身の
大半を剥き出しにされていました。
母を襲っている相手の顔を見て、私はさらに驚愕しました。
母の上に覆い被さっているのは、叔父だったのです。
私の全身は見る間に硬直状態になり、動くことも声を出すこともできなくな
っていました。
母と叔父の取っ組み合いは、私と十数メートルくらいの距離で激しく続き、
やがて地下足袋だけの母の剥き出しの両足が高く持ち上げられ、その間に半裸
姿の叔父の巨体が割って入り、
「ああっ…あっ」
母のひときわ高い叫び声が私の耳をつんざきました。
叔父はランニングシャツ一枚で下半身には何も身に付けていませんでした。
膝を立てた叔父の腰と母の剥き出しの臀部のあたりが深く密着しているのが
わかりました。
それでも母は、
「ああっ…いやっ…いや」
と必死に首を左右に振り逃れようとしていました。
私は木陰の奥で石のように固まってしまい、視線を反らすことすらもでき
ず、喉をカラカラにしてへたり込んでしまっていました。
叔父が母に何をしているのかはわかりました。
母は叔父に犯されているのでした。
叔父は膝を立て両手で母の両足を抱え持ったまま、腰と腰を密着させた状態
でしばらくは動かないでいました。
母は両手を一杯に拡げあたりの草を何度となくわし掴み、汗にまみれた顔と
細い首を振り続けていました。
すると次第に母の顔の表情に変化が出てきていました。
嫌悪感一杯だった母の汗と涙に濡れた目が、上から覆い被さっている叔父の
顔に一点集中するようになり、草をむしっていた両手の動きが止まってきてい
ました。
屈辱的な姿勢を強いられながら、叔父を見上げる母の顔が、母ではないもう
一つ違う女の顔のように変化していました。
時間にして数分の間の変化でした。
「どうしてほしい」
上から見下ろしている叔父が、母の上気した顔を覗き込むようにして聞いて
いました。
「ああっ…ああ」
どこかがむず痒いような表情を母は下のほうで浮かべていました。
「突いてほしいのか」
叔父の声がまたしました。
ややあってから、母の顔が小さく頷くように見えました。
叔父の顔にほくそ笑みの表情が出て、密着させていた腰がゆっくりと動き始
めた時、
「はぁっ…いいっ」
と母の熱い咆哮の声が喉の奥のほうから絞り出されていました。
叔父の腰の動きが強くなりやがて早まり、それに呼応するかのように母は乱
れた昂まりの女としての咆哮を止むことなく上げ続け、最後には叔父のがっし
りとした背中に爪を立てんばかりにしがみつき、絶頂に達したのでした。
いまだからこう書けますが、その時の私はまるでものいわぬ夢遊病者のよう
で、草むらにへたり込んだまま息もできないくらいの興奮状態に陥っていたの
です。
もちろん私はまだ男性というものを何一つ知らない体でした。
ことの全てが終わり、草むらに横向きに横たわったままの母の横で、叔父が
やおら立ち上がりました。
ランニング一枚の裸身でした。
腰を曲げて母の髪の毛をわし掴み上体を起こすと、叔父は自分の下半身の剥
き出しのものを母の顔の近くに寄せました。
少しだけためらうような表情を見せていた母が、やがて叔父のものを自分の
口の中に深く呑み込み、唇を小さく窄めるようにして前後に動かし始めたので
した。
すると叔父のものは母の口の中で次第に膨張してきているのがわかりまし
た。
…そして母と叔父はそこで再び肉と肉の絡みの行為を続け、拒みも抗いもな
く相思相愛的に深く妖しく繋がり果てたのでした。
私はそのまま母と叔父に気づかれないようにして、その場を逃げるようにし
て去りました。
喉をカラカラにして家に戻った時、私は自分の下着がひどく濡れそぼってい
るのに気づきました。
慌てて室に入りショーツを脱ぐと、まるでおしっこを洩らしたかのようにビ
タビタに濡れそぼっていました。
そしてそれからは、それまで離れの小屋に寝ていた叔父のところへ母が深夜
にこそこそと出かけていくのを私は何度も目撃しました。
そんなおぞましい出来事があってから一ヶ月ほどしたある雨の日でした。
私が学校から帰ると家の中は妙にひっそりと静まり返っていました。
そういえば母は雨で仕事が休みなので、近所の人と街に買出しに行くとかい
っていたのを思い出したのですが、ふと兄の室のほうに人の気配を感じまし
た。
男のくぐもったような声が洩れていました。
思わず私は忍び足になり静かに兄の室の隣りの自室に入りました。
襖と襖の間に二センチほどの隙間がありました。
「ああっ…」
兄の声でした。
私の胸の血がどくんどくん大きく波打っているのがわかりました。
襖の隙間に私は近づいていました。
布団が敷かれていました。
裸の兄がいました。
その上に裸の叔父が覆い被さっていました。
叔父と兄が唇を重ね合っているのが見えました。
唾液にまみれた舌と舌が絡み合っているのも見えました。
しばらく叔父と兄は唇をお互いにむさぼり合っていました。
叔父の腕が兄の首に巻き付き、兄の手が叔父の背中を抱きしめていました。
やがて叔父が布団の上に立ち上がると、同じように上体を起こした兄の顔と
口が叔父の下半身のものに近づき咥えていました。
叔父の大きなものは固くしこっていました。
兄が布団の上に四つん這いになりました。
叔父が兄の高くなっている臀部のあたりで、何か液体のようなものを兄の肌
に擦りつけていました。
そうして叔父が兄の臀部の前で膝を立て、自分のものを手にあてがうように
して兄に密着していきました。
布団の上で兄の顔が大きく歪んでいました。
叔父が両手で兄の臀部を抱えるようにして腰をゆっくりと律動させていまし
た。
兄のお尻に叔父のものが突き刺さっているのでした。
「ああっ…あっ」
兄の声が間断なく大きなうねりのようにして聞こえていました…。

続く

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