花火大会があったので、浴衣を着付けてもらって花火を楽しみ、そのままの格好で最終電車で帰る事になったんです。
電車は結構人もいたんだけど、2駅くらいでほとんどの人が降りてしまって、車両には私と、斜め向かい(といっても随分遠いところだけど)に赤い帽子を目深に被ってアイマスク代わりにしている10代くらいの男の子だけに。
そのうち、停車駅でサラリーマン風の30代半ばくらいの男性が乗ってきました。
男性はガラ空きの車両にも関わらず、何故か私のすぐ右隣に座ったんです。
(こんなに空いてるのにイヤだな・・・)なんて思っていたら・・・。
男性は「はぁ~」と大きく溜め息をつきながら、両腕を背もたれの窓枠の桟にかけました。
左手は私の背中の後ろ。
何だか気持ち悪くなって立ち上がろうとしたけど、露骨に嫌がるのもマズイかなぁと思って、立ち上がる頃合いを見計らっていたら、その男性は窓枠に掛けていた左手を、私の背中に微かに触れながらス~っと下ろしてきました。
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