月に一、二回会う程度。
今どき組合なんて人気ないわけで、新人を押し付けられたというのが実際のところ。
でも一緒に仕事をするうちに仲良くなって、先輩面して色々人生について語ったりもした。
名前はひかるという子で、顔は少し可愛いくらいだけど、とにかく愛想がいい。
男からの評判もよかった。
俺も仲良くなれて嬉しかったし、自慢も出来た。
それで、同じ女子から疎まれることもあったようだ。
そんな相談にも乗ったりして、やがてひかるは結婚することになった。
恋の賞味期限が切れる前に結婚した方がいいと言ったのも俺。
ひかるの後輩も何人か居て、後任も決まった。
ひかるにとって最後の組合の大会。
泊りの夜の夕食会の後、ホテルの部屋で二人で話した。
時計が23時を過ぎたので、帰らせようとして最後に改めて挨拶。
俺「今までありがとうございました」
かしこまって頭を下げると、ひかるも同じように俺に頭を下げてくれた。
顔を上げると、ちょっと寂しそうな笑顔。
俺「ねえ、少しぎゅっとしていい?」
ひかる「うん」
俺は上半身だけ軽く抱き締めた。