民宿に毛が生えた程度のこじんまりとした、しかし落ち着いた風情のある宿だ。
年に1度、仕事にも家族にも縛られないバイクのひとり旅に持って来いの宿だ。
早朝からのツーリングの心地よい疲れで、温泉にも入らず、食事のあとすぐに寝入ってしまっていた。
気がついたのは既に0時すぎだが、露天風呂は24時間いつでも入れるとのこと。
せっかくの温泉を楽しもうと風呂場に向かった。
(ここの露天は確か混浴のはずだが・・・)
スケベ心が全然なかったと言えば嘘になる。
しかしまさかこんな時間、誰もいないだろうとも思っていた。
内風呂でかかり湯をしてから露天風呂へ。
片足をザブンと湯船に入れたところで、すぐ近くに先客がいるのに気がついた。
跳ねた湯を浴びせてしまったか。
私「あ、失礼!気がつかなくって・・・」
で、絶句。
なんと、若い・・・。
とは言っても30才は越えているだろうか、垢抜けた美しい顔立ちの女性だ。
女性「いいえ、大丈夫ですよ。
お気になさらないで」
お気になさらないで」
まったく落ち着いたものだ。
こちらは、湯船に入るのに前に当てていたタオルを外したところだったこともあり、大いに慌てた。
だって高さはちょうど相手の頭あたり、目の前1m足らずのところだ。
何がって・・・タオルを外して剥き出しのナニが、だよ。
慌ててバランスを崩し、湯船の中にタオルを落として・・・騒々しいことおびただしい。
女性は、軽く握った手の甲を口に当て、肩を震わせて笑いをこらえて・・・いや、こらえきれずに笑っている。
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