1年生の夏休みが近づいた頃です。
私はレポートの資料集めに、短大の図書館に行っていました。
短大の図書館には地下2階、地上10階の書庫があって、私はその8階にいました。
色々と書棚の本を探しているとY先生が入ってきました。
Y先生は30代後半で、色黒でちょっとかっこいい先生で、レポートの課題もこの先生が出したものでした。
「おー早速資料集め?えらいなー」みたいなことを言いつつ、先生が私の後ろに立ちました。
私の体にくっつくくらい近くに先生は立って、私の開いている本を覗き込みました。
「どんな本を探してるの?」
そう言う先生の息が耳にかかって、もう、ものすごくドキドキしてしまいました。
「あー、この本はね・・・」
先生は説明してくれるのですが、本を指差す先生の腕に抱きすくめられているような感覚で、私は全く上の空になってしまいました。