M奈:25歳、元スイマー、可愛い。
M奈が入社したのは五年前、専門学校を卒業しての就職でした。
可愛いくて、ハツラツとしていて、キラキラ輝いて見えました。
ただ、可愛いというのは私の主観で、周りの評価は普通だったと思います。
M奈は残念ながら違う部に配属されました。
そんなM奈とどうして接点が出来たのか?
それは本当に偶然でした。
ある日、私のところに知らない書類が来ており、それを取りに来たのがM奈だったのです。
M奈を間近で見た私は、思わず「可愛い」と呟いてしまいました。
アラフォーの今では完全にキモいオッサンの言動ですが、当時は辛うじて受け入れてもらえたのでしょう。
M奈は聞き逃さず、「ありがとうございます」と言ってくれました。
それからは会うと親しく話し掛けてくれるようになりました。
しかしそれ以上発展することはなく、数年が経ちました。
ある日嫁さんの実家で用事があり、嫁さんが子どもを連れて実家に帰りました。
こんな時に限って仕事も早く終わります。
晩御飯どうしようかな、などと考えていると、玄関でM奈と出会いました。
久しぶりだったんで「M奈ちゃん久しぶり、相変わらず可愛いね」などと軽口を叩きました。