小2の時に初めてエロ本を見て勃起し、それからエロ本探検隊を組織して、小4になる頃にはSMからスカトロまでカバーできる知識を得ることができた。
両親がマイホームを買い、転校することになった。
小6にあがる春休みだった。
新しい学校は高級住宅地と、転勤族が住む団地からなるほのぼのとしたの学校だった。
転校生だった僕は挨拶がわりにマンコマークの意味と書き方を新しい友人達に教え、性的知識に乏しい彼らの好奇心の起爆剤になった。
僕が語る思い出は、小6の6月。
新しい学校にも慣れた梅雨どきの出来事だ。
“バイキン”と呼ばれていじめられる子が学年に何人かいた。
新しい小学校には“さゆり菌”と呼ばれるいじめられっ子がいた。
何故バイキンなのかは、クラスメイトに聞いてもはっきりしない。
見た目にも話した感じも普通の女の子だった。
勝ち気でケンカ早いのが敵を作りやすい原因だったのかもしれない。
“さゆり菌”は僕の近所に住んでいた。
登下校で一緒にならないように細心の注意が必要だった。
バリアを張られ、仲間外れにされるのが嫌だったからだ。
ある日、委員会で下校が少し遅くなった。
すかさず雨が降り出した。
梅雨なのに傘を忘れ、学校の貸し出し傘もすべて出払い、僕はぽつんと下駄箱の前に立っていた。
「おい、ケン」
名前を呼ばれて振り返ると“さゆり菌”だった。
さゆり「傘入れてやろっか?濡れて帰るのか?」
さゆりの問いかけに僕は周囲を見回した。
さゆり「誰も見てないよ・・・見られるの困るなら裏道で帰ろ?」
さゆりに対してさらに僕は沈黙を続けた。
さゆり「傘、私が持つから、そうすれば菌は大丈夫だろ?」
僕「ば~か!菌なんて関係ねーよ」
とっさに軽口が出た。