中学の頃の元カノに出会ったのだが、俺はその姿に驚いた。
子供を抱えている。
そう、つまり母になっていたのだ。
さすがに子供を連れてきたのは元カノくらいなので、多くの同級生に質問を浴びせられることになり、俺が彼女と話すことはままならなかった。
それ以前に、俺には彼女に近寄りがたい理由があったのだが・・・。
中ニの頃、俺は彼女に告白した。
当時の彼女は明るく、中学生にしては胸が大きい(夏服時には男子の注目を集めていた)それなりにモテる女子だった。
「いいよー」と軽い返事だったがOKしてもらえた。
その時の喜びは昨日のことのように思い出せる。
俺は必死に彼女を楽しませるように色々してたんだが、返事と同じく、捨てられるのも軽かった。
彼女が悪いとかは思わず、ただただ自分の悪い所を探して、探して、探して、全てが嫌になって、結局中学を卒業するその日まで引き篭もってしまった。
結局定時制高校に通ううちに傷はある程度癒え、大学に通ってサークルに入って同じ趣味の友人を得ることによって前向きになり始めたところでの同窓会、というわけだ。
正直、彼女に対する怒りはなかったが、今更話してどうこうという気にもなれない。
酒もしっかり飲んだけど、二次会に行く気にはなれなかったので帰ろうとしたら、元カノが俺に向かってやってきた。
「あの・・・Kくん(俺)だよね?・・・話があるんだけど、ここは人が多いから・・・20分後くらいに近くの公園へ来てくれない・・・?どうしてもダメならいいけど・・・」