えっとですね、高校の頃の話です。
秋口くらいじゃなかったかな。
当時私は吹奏楽部だったんですが、付き合っていたのが一つ上の学年の先輩。
中学から一緒で、陸上部と古典ギター部を兼部してました。
『くーさん』とか『K保さん』とか呼んでたかな。
結局名前では呼ばなかった様な覚えがあります。
背が高くて顔もなかなかいい人だったんですが、ちょっと遊んでそうな感じもありました。
実際、私と付き合う前に二人くらいは経験してたらしいし。
あと、これは勿論しばらく分からなかったんですけど、実は結構Sの入ったえっちぃ人でしたw
その後の私のエロ思考って、結構彼の影響な気がする。
付き合ってたって言っても、告られて緊張して舞い上がって「は、はいっ」て答えちゃっただけだったので、まだ恋人系行動はあんまり消化してなかったんですけどね。
一人エッチにおいては既に結構チャレンジャーでしたけど、学校生活では割と純情少女だったのでw
エロ話や恋話をするのも、ごく一部の女友達だけ。
まあその一部の友達とは、体位がたくさん書いてあるエロ本とかを読んだりもしてましたけど。
そんなだから、くーさんともあんまりエッチ系の話になる訳でもなく、申し訳程度にキスをしてたくらいで、ガードが固い大人しい子だと思われてたみたいです。
実は頭の中は結構エロ妄想が充実したピンクな空間だったんですけどw
自宅だったし、あまり遅くまで遊べなかったってこともあったかな。
土日にボーカル習ったりもしてましたし。
後は、やっぱり興味がありつつも怖いものは怖くて、エッチっぽい誘いを頑張ってかわしてたこともあったと思います。
高校では軽音が主催の合同コンサート(ふざけて合コンとか略されてました)みたいなものがありまして、色んな団体がそこに出演してました。
部活から個人バンドまでオッケーな発表会だったので、個人単位で出演する人も多かったんですが。
私も吹奏楽部の方で出る予定だったんですが、それとは別に二人で出ないかって誘われました、くーさんに。
ボーカル・フルートとクラシックギターのデュオで。
後から聞いたら、これも彼の作戦の一つだったらしいんですけど。
そもそも私は掛け持ちでコンサートに出る訳だから、練習は遅くになるに決まってるんですね。
掛け持ちの両方の練習が終わった後、ご飯を食べて帰ってたりしたから、帰るのは夜の9時、10時になっちゃうんですよね。
彼もわざわざ陸上部の方で夕練とか入れてましたから、結局彼との練習をするのは、運動部も音楽系もあらかた帰り始めてからの時間帯でした。
うちの高校には『終業後の部活は文化系・体育会系問わず全てジャージで』という妙な風習っていうか不文律がありまして、新聞部も文芸部もみーんなジャージ姿で活動してます。
だから私達の練習もジャージでした。
大抵、古典ギター部の部室か音楽練習室で練習してたかな。
吹奏楽部って文科系の皮被った体育会系ですから、練習が結構厳しいんですよね。
へとへとになって練習抜けて、あとはボーカルだけだから楽器ケースをロッカーに置いていこうと思って、教室に戻りかけたところで彼と会いました。
「あー。
待っててくれた?」
待っててくれた?」
「うん、コテギ(古典ギター部)の鍵とってきたから。
リクブ(陸上部)ウザかったー」
リクブ(陸上部)ウザかったー」
そんなこと話しながら教室の方に。
私の高校、音楽練習室がある棟と教室がある棟が結構離れてるので、教室の方には元々殆ど人影がなかったんですね。
警備とかも、正門や裏門のチェックは時間によってはいちいち名前聞かれるくらい厳しいのに、校内は割とどこもゆるゆるなので、教室も大抵鍵開けっぱでした。
夜の学校ってなんか独特な雰囲気ありますよね、人気もなくって暗くって。
教室もそんな感じで、廊下や外の光が入ってきてるだけの薄暗さでした。