写真屋の息子がいました。
その友人は明と言い、
学生時代からの仲良しで、
就職した後もちょくちょく会う仲で竹馬の友でした
でも、ここ最近仕事が忙しのと、
私も結婚した事で会う機会が
めっきり減ったんです。
そんな時、会社の旅行写真の
焼き増しを依頼され、私は明に頼む事にしました。
明の家に行くと、
昔と全く変わぬ店構え
何だか懐かしくなりました。
店のカウンターに座る明に声を掛けると、
笑顔で出迎えてくれたんです。
「久々だなぁ!全然顔出さないから、
心配してたんだぞ」
「ごめんごめん!仕事忙しくってさぁ、
しかも結婚しただろ、中々自由が無くて」
「そうだったなぁ、奥さん元気か?
子供はまだなのか?」
「ん~まだ出来ないよ!
そっちは結婚しないのか?」
「俺は、独身満喫してるんだ!
結婚はまだいいかなぁ!で、今日はどうした?」
「そうそう、写真焼き増し頼むよ。
会社の旅行の写真なんだ!」
「悪ぃなぁ!
気を使って俺の所来るなんて」
「まぁ気にするなって」
「そうだ、今度久々に飲みに行こうぜ」
「そうだな」
そんな感じで、
私は久々に明と飲む事になったんです。
居酒屋で待ち合わせし、
2人で個室に入ると話は尽きません。
私は酔いもあって、
以前から気になっていた明の
経営状態を聞いていました。
「明、今は誰でもデジカメ持ってて
自宅でプリンターで印刷できる時代に、
よく写真屋でやっていけてるよなぁ」
「あ~昔に比べたら正直仕事は無いよ!
(苦笑)でもさぁ、時代って変化するんだよ」
「何だよ!カッコいい事言って
時代って何だよ!」
「写真屋=焼き増しや記念写真という考えだったけど、
記念写真にも色々あるんだよ」
「記念写真?
と言えば七五三とか入学・卒業・結婚だろ?」
「まぁ、普通はそうなんだけど、
今は自分っていうのもあるんだ」
「自分?」
「大きな声で言えないけど、
女性は老いて行く姿に幻滅する。
だから今の自分の姿を残したくなるんだ」
「…それって?」
「ヌードさ、40代・50代女性は特に、
今の自分の姿を記念写真として
残したいという願望があって、依頼してくるんだよ
旦那や子供には頼めないだろ?
だから写真屋なんだ」
「そんな女性いるのか?聞いた事無いよ」
「俺も初めは驚いたけど、
初めて来た四十路ぐらいのおばさんが
"私のヌード写真を取れますか?"と聞いて来たんだ。
俺も何言ってるんだ?
と思ったけど、彼女は本気だったんだ。
だから良いですよって事で、
彼女のヌード写真を取ってアルバムにしてあげたんだ。
彼女凄く満足してくれて、それが噂を呼んでか?
今では忙しいよ!
中には、撮られる=見られていると思う
お客さんが興奮して、
下着を濡らしたりマンコから汁を溢れさせる人も居るんだ。
だから、雰囲気に呑み込まれ俺も
ちゃっかり食っちゃったり出来るんだぜ!