カノ子はむさくるしい理系に咲いた一輪の花のような趣で
ロング黒髪色白ノーメイクという俺たちクソ童貞の理想を具現化したような女性だった。
同じ学部でとってる授業も同じのが多くサークルも同じだった俺は
じりじりと仲良くなることに成功し、1年の終わりごろカノ子と付き合うことができるようになった。
続きを読む
ちなみにカノ子以外にも女子はちらほらいたんだが、たいていの女子にカノ子は嫌われてるというか敬遠されてるようだった。
理由は
「すぐ泣く」
「天然すぎてついていけない」
「なんかウザイ」
という漠然としたものが多く、当時の俺は「ブスの嫉妬乙」としか思っていなかった。
確かにカノ子は天然といえば天然だった。
たとえばデート中、蟻の列を見つけると「巣に運んでるのかなー、ガンバレッ、ガンバレッ、ファーイト!」と立ち止まってエールを送りだす。
蟻の先頭が無事巣にたどりつくと「えらいぞ。
蟻さんってえらい…私もがんばらなくっちゃって思わされた」と涙ぐむ。
蟻さんってえらい…私もがんばらなくっちゃって思わされた」と涙ぐむ。