9年前、俺と千尋は結婚した。
千尋とは4歳の時に知り合い、それから二十数年来という非常に古い付き合いである。
小学校まで千尋はクラスのガキ大将的な存在で、俺も散々彼女にこき使われていたが。
中学に入って状況が一変する。
入学してすぐ、千尋に告白されたのだ。
突然の出来事に激しく動揺したが、当時千尋を異性として全く意識していなかった為、すぐに断ってしまった。
納得のいかなかった千尋は『どうしたら、あたしと付き合ってくれるの?』と言い出し、俺が『じゃあ、お前の胸が大きくなったら良いよ』と適当にあしらったつもりだったが・・・
思春期真っ只中の千尋の胸は急成長を遂げ、中3の頃には学年で1、2位を争う程の巨乳の持ち主になってしまった。
入学当時ぺったんこだった胸がここまで大きくなるとは想像出来ず、いつしか勿体ない事をしたと思い、激しく後悔する日々を送っていた。
高校受験を一週間後に控えた2月の終わり、休日に突然電話で千尋から呼び出しをくらった。
ちょっとした淡い期待を抱きながら待ち合わせ場所の公園に行ってみたら。
案の定千尋に再告白された。
俺はすぐさまOKし、千尋にその場でキスをされた。
その後、俺と千尋は同じ地元の高校に入学。
一緒に手を繋いで登校したり、休み時間にイチャイチャしたりして、彼女と共に学生生活を欧化した。
そして千尋の18回目の誕生日の時、初めて一夜を共にして男と女の関係になった。
高校卒業後、都心の大学に2人して進学。
その際、両家の親が相談し合い大学からほど近いアパートの隣同士の部屋を借りる事になった。
半同棲に近い形で幸せな学生生活を続けていたが。
大学3回生の時に千尋の妊娠が発覚。
俺は千尋の親に頭を下げに行ったが、彼女の両親はあまり怒っておらず、和やかな雰囲気で孫の誕生を喜んでいた。
でも責任は取らされ、結果的に学生結婚という形で千尋と入籍を果たした。
千尋は出産と育児の為1年間休学し、俺から1年遅れて無事大学を卒業した。
それから7年、俺達は30歳になり1男1女と子宝にも恵まれ、来月には3人目が生まれる予定だ。