同じ大学の友人の女友達の、さらに友達という遠い関係ではあったが、妙な縁があって彼女の名前は以前からよく聞いていた。
と言っても、大したことではない。
当時世話になっていた大学の先輩と一時期付き合っていたということ。
本当は高校時代から付き合っている彼氏がいたのだが、喧嘩別れしてしまった時にその先輩と深い仲になってしまい、前の彼氏とよりを戻す際に一悶着あり、軽くそれに巻き込まれたことがあったというだけ。
だから、最初に遭ったときから彼女は、“彼氏持ちの射程外”だった。
下ネタが平気で言い合えるような男女が集まって、誰かの家で飲んで、気が付いたら数少ない布団の中で皆が抱き合うように寝ていて。
そんな飲み会を繰り返しながらも、彼女との仲が進展するはずもなかった。
しょうがないから、という訳ではないけれども、俺はそのうち別の飲み友達の一人と恋愛のようなものを始めるようになった。
当然、彼女に相談もするようになる。
俺の女性経験のなさを見抜いてか、「キスまでなら良いよ」とデートの練習台にもなってくれた。
だが、それはあくまで友達としての関係の中での、限られた遊びだった。
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