半年前に妻と離婚して一人暮らしする僕の家に、みどりさんが訪ねてきた。
自治会の役回りで殺虫剤を配って回っているとのことだった。
彼女は小柄で、可愛らしい顔立ちをした明るい女性だった。
当時、彼女は42歳のご近所に住む専業主婦で、大学2年生と高校1年生の息子の母親。
夫は電気工事を請け負う会社の社長だった。
それから2~3日して、また彼女と僕の家の前で顔を合わせた。
前回は挨拶程度に終わったけれど、今度は世間話やら彼女の家族の話、彼女の生まれ故郷のことなど色々話が弾んだ。
「よかったら上がってコーヒーでも飲みませんか?」
もっと僕のことを聞いてもらいたくて思い切って誘ってみた。
「えっ、いいんですか?」
「男の一人暮らしで散らかってますけど、よかったらどうぞ」
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