中学3年生の時の夏休みの話。
当時の私は、長い夏休みに退屈して、学校に本を借りに行くにした。
田舎の学校だったけど近所の図書館より近いし、図書室の本は多かった気がする。
夏休み期間は図書委員が交代で登校して本の貸し出しをしていた。
私はお昼の時間を狙って行った。
この時間は借りる人が少なくて、気分が良いと思ったからだ。
そしたら図書室のドアに鍵が掛かっていた。
図書委員がいないのは想定しておらず、失敗したと思った。
奥のドアなら開いてるかと思ったが、やはり閉まっていた。
すると、さっきのドアから音がしたかと思うと、ドアが開いて女子生徒が顔を出した。
その女子生徒は大人しそうな感じで、「お弁当を食べてたのでドアを閉めていました、すみません」と謝ってきた。
図書委員らしい女子生徒は上履きの色から2年生だと分かった。
私は図書室に入って好きな作家のコーナーに歩き出した。
ふと横を見ると、貸し出しカウンターの机の上に食べかけのお弁当があった。
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