僕が中学1年の13歳の頃の話です。
「いらっしゃい、潤君」
愛くるしい笑顔で僕を迎えてくれたのは、僕のお袋が経営するサロンで店長をしている美容師の江里、27歳。
僕のお袋はバツイチでありながら、美容サロンやエステティックサロンを数十店舗所有して、貸しビル等の不動産業も手掛け、時々、テレビや雑誌の取材を受けるほどのやり手のセレブです。
僕がヘアカットに決まって行くのは、お袋の店の一つ、江里がいる店でした。
別に、お袋の店ならどこへ行ってもよかったのですが、社長の一人息子である僕に重苦しい空気を作る従業員ばかりいる他の店には、俺の方が遠慮ちゃうよ、とどうしても行く気になれず、いつも、屈託のない接し方をしてくれる江里がいる店に行ってました。