社員は男女半々で、ほとんどが20~30代。
その編プロはご当地のタウン誌やフリーペーパーを作っていた。
俺(当時24歳)は編集なんてそれまで未経験だったけど、写真の専門学校を出ていたので、その腕を買われて入社した。
入社半年くらいで広告を掲載してくれるクライアントへの取材や撮影なんかも任されるようになった。
9ヶ月くらい経ったある日、副編集長(森高千里似のお姉さん系、社内唯一の東京六大学出身、当時28歳)からリニューアルしたエステサロンの写真を撮ってくるように頼まれた。
さっそくアポ取りの電話を入れると、サロンの担当者が「誰かモデルを連れてきて欲しい」と言う。
普通の編プロなら、モデルもカメラマンも外注にするんだけど、うちの会社ではクオリティ重視の写真でなければと、俺がモデルにしても社内調達か編集部員の知り合いにノーギャラで頼むのが普通だった。
副編に相談すると、「わかったよ。
誰かに指示しておくから」と言うので、俺はその件はそのまま忘れていた。
誰かに指示しておくから」と言うので、俺はその件はそのまま忘れていた。
1週間後の取材前日になって、俺は副編に「明日のモデル誰ですか?」と確認を取った。
ところが、副編はすっかり忘れていたようで「やばーい!どうしよう・・・」とかなりテンパっていた。
社内の女性陣は取材・入稿期間の真っ只中で、ほとんど外出。
中にいるスタッフもモデルなんてしているヒマはない。
サロンは副編のコネクションで取れた広告だったので、結局、普段は絶対にそんなことをしない副編がモデルとして同行することになった。
行きの車の中で、副編は「今の職になってからデスク業務ばかりだったから、仕事で外へ出るなんて久々だなぁ。
しかもモデルなんて新人のころ以来だよ♪」と、なぜか上機嫌だった。
しかもモデルなんて新人のころ以来だよ♪」と、なぜか上機嫌だった。
いつもはパンツ姿なのに、その日は珍しく膝が見えるスカート姿。
俺はあえて助手席の美脚に視線を向けないように気を遣いながら、前日から気になっていたことを聞いてみた。
「エステってどんなエステなんですか?」
「フェイスエステが中心だよ。
なに、変な期待してんの。
ばーかw」
なに、変な期待してんの。
ばーかw」
職場ではテキパキと仕事をこなし、みんなに頼りにされる反面、仕事中はあまり笑わない副編がいたずらっぽく笑ったので、それをきっかけに会話が弾んだ。
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