10年程前に高校に合格し、のんびりと春休みを過ごしていた時の話。
昼下がり、家でゴロゴロしていると一本の電話が。
それは近所に住む従姉妹(春から中三)からだった。
写真を撮ってほしいのだが、カメラマンになってほしい、との事。
暇だったので、自転車で従姉妹(以下ジュンと仮称)の家まで走る。
ジュンは年子で同級生の姉ユミ(仮名)、そして両親の4人家族だが、
その日は一人で留守番だった。
聞けば叔父一家の新しく建てる家の完成が迫り、引っ越しも近い、
その前にこの家の記録を残しておきたい、との事。
ジュンは僕に普通のカメラでは無く、8ミリビデオカメラを手渡した。
クラスメイトから借りたらしい。
町営住宅の小さな建物なので家中を撮ってもすぐに終わり、
最後にジュン姉妹の部屋に入った。
僕がその部屋に入るのはすごく久しぶりだった。
僕がその部屋に入るのはすごく久しぶりだった。
ジュンは何故かカーテンを閉め、部屋の灯りをつける。
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