いま思えば、入電ボイスが全ての始まりであった。
『警視庁から入電中、警視庁から入電中、帝丹小学校体育倉庫で殺人事件発生。
直ちに現場へ急行せよ。
直ちに現場へ急行せよ』
『警視庁から入電中、警視庁から入電中、帝丹小学校体育倉庫で殺人事件発生。
直ちに現場へ急行せよ。
直ちに現場へ急行せよ』
ケータイ刑事である銭形愛の専用携帯電話には、事件が発生すると警視庁から
捜査開始命令の連絡が入る。
指令を受ければ直ちに現場に急行して捜査に当たるのが愛の仕事なのだ。
その日も普段と同じように、愛は
指令を受ければ直ちに現場に急行して捜査に当たるのが愛の仕事なのだ。
その日も普段と同じように、愛は
現場に指定された小学校へと一人向かった。
いつもなら大抵相棒の五代刑事も一緒にいるのだが、今日は法務大臣から仕事を頼まれた
いつもなら大抵相棒の五代刑事も一緒にいるのだが、今日は法務大臣から仕事を頼まれた
とのことで、珍しく別行動となっていた。
普段と違うと言えば、現場の様子もどこかおかしかった。
小学校で殺人事件となれば大騒ぎになるのが当然のはずなのに、体育倉庫には
小学校で殺人事件となれば大騒ぎになるのが当然のはずなのに、体育倉庫には
野次馬はおろか、鑑識の人間さえ見当たらない。
それ以前に被害者の遺体すらどこにも無いのだ。
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それ以前に被害者の遺体すらどこにも無いのだ。