「二階の部屋から漏水したので帰って来れないか?」との事。
それで、慌てて戻ってみると、アパートの前で大家さんと二階の奥さんが待っていました。
何でも、二階の奥さんが洗濯している時に、排水溝が詰まって水が溢れ出し、一階の僕の部屋に漏水してしまった様です。
「ごめんなさい、気付いた時にはもう溢れ出ていて・・・」と言って謝る奥さん。
急いで見に行くと、押し入れに入れていた布団が部分的に濡れていて、今日は使えそうにない状況でしたし、壁や襖にも濡れた後が。
「どうしたらいい? 今夜寝る時にお布団が無いと寒いわよね~」と聞く奥さん。
奥さんは、沼田さんという名字の人で、最近二階に引っ越して来たばかり。
30代半ばくらいの、中肉中背で主婦としては綺麗な方で、会社員の旦那さんと二人で暮らしていました。
僕は26歳で、このアパートで暮らし始めて1年くらいです。
アパートは2LDKタイプで、最近では珍しく2部屋とも畳敷きの部屋。
家賃的に手頃だったので住み始めたのですが、とんでもない災難に遭ってしまいました。
「しょうがないですね、今夜はコタツで寝ますよ!」
「コタツで? でも風邪引かないかしら?」
「大丈夫ですよ、一晩や二晩くらいなら・・・」
という事で、押し入れから布団を出し、手伝ってくれた奥さんと一緒に中を拭きました。
問題は、布団を干さなければいけない事です。