結局、真奈美さんは手を繋いだまま大学まで入ってきた。友人に声をかけられながら教室に入っていくが、そもそも友達もそれほどいないので、そんなに沢山は声をかけられない。
「本当に、大丈夫? つまみ出されない?」
真奈美さんは、キョロキョロしながら心配そうだ。
「高広、おはよ。なに、彼女出来たの?」
仲の良い裕也に声をかけられた。裕也は、どちらかというと僕と同じ陰キャの部類だが、顔が良いので意外にモテる。でも、中身は陰キャのオタクなので、彼女がいたりするわけではない。彼女を作るよりも、ゲームやプラモを作りたいそうだ。
僕は、そうだよと答えた。そして、真奈美さんを紹介した。
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