始まりは、ほんのちょっとの勘違いからだった…「家庭を壊さない程度の付き合い」その言葉の意味を、お互いが取り違えた。職場の忘年会で二次会のカラオケが終わり、そろそろお開きか?そんな空気が流れていた。飲み散らかしたグラスを集めたり、本を揃えたりと、カラオケルームの片付けをしていた私は、いつの間にか置いてきぼりをくっていた。
気が付くと、コートを着かけている彼と二人きり…。
ちょっぴりどぎまぎして、そそくさとその場を去ろうとした。リモコンを手に持ち視線を落として、さりげなく彼のわきを通り過ぎる…はずだった。足元の視界に前から誰かの足が近づいてきた。そう認識した瞬間、私の唇がすくい上げられるように唇で持ち上げられた。彼の唇で…
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