「お腹空いた〜。ご飯、まだなの?」
嫁のちさ子が、少し苛立ったような口調で言う。僕は、もう少しで出来ると言いながら、焦ってフライパンを振った。僕自身も、さっき会社から戻ったばかりだ。途中でトワイライトスクールに寄って息子をピックアップしてくるので、どうしても遅くなってしまう。
「お腹ペコペコだよ〜」
ちさ子は、すでにビールを飲みながらリラックスモードだ。それに引替え、僕はまだスーツのズボンにワイシャツ姿だ。少しは手伝ってくれると良いのにな……と思いながらも、倍近く違う年収の前に、なにも言えない僕がいる……。
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