まだ東京で働いていた頃、職場は新大久保付近だった。
今は知らないけど、当時は立ちんぼの外人(アジア、コロンビア)が毎晩何十人も立っていて、意味もなく会社帰りはそこを通りながら電車で帰宅していた。
イケメンでもないし、田舎から出てきて出会いもない俺は、週末のある日、童貞を捨てようと決めた。
ちょうど給料日後だったし、毎晩ムラムラしながらあの通りに寄る自分から決別したかったのもあった。
その時は会社の寮のドアを出た瞬間から電車に乗ってる間中、ずっとドキドキしていた。
ついにその通り沿いに着くと、やっぱり立ちんぼは同じように何十人も立っていた。
俺はその通りを歩き始めると、どの人にしようか決める為に、随分歩き回った。
みんな色っぽい格好をしていて、正直迷った。
踏ん切りがつかないのもあって、気付くと何周もしていて足はクタクタ、もう帰ろうかと思った。
(最後に一周して決まらなかったら帰ろう・・・)
たぶん深夜の二時は回ってたと思う。
ちょっと大通りに出た時に、食い物屋の前で暇そうにしてるオバサンがいた。
年の頃は30後半ぐらい。