4件ほど連絡が来たが、1件は電話の段階で折り合いが合わずに、結局3件でやることになった。
3件とも比較的裕福な家庭だった。
1件は超教育ママって感じの40歳のお母さんで、息子の成績が生き甲斐みたいな感じだった。
有名な塾にも通わせているらしく、正直、俺じゃあ役不足って感じだった。
金額面ではかなり貰えたが、やっている事はただ難しい問題を答えさせているだけ、俺は隣で本を読んでいたりした。
それでも首にならなかったのは、とある母親の事情があった。
息子の勉強や成績の事で、夫婦喧嘩が耐えなかった家庭で、子供部屋に俺がいるのに、両親の怒鳴り声が聞こえてくる始末だった。
それはまずいと思っているうちに、お父さんは家庭を放棄し、帰ってこなくなった。
余計にお母さんは意地になってしまい、俺を首にする事は出来なくなってしまった。
他人の家庭の事なので、あまり突っ込んで聞くつもりもなかったが、しばらく経ってから、お母さんがその環境に耐え切れなくなったのか、子供の勉強が終わった後、お母さんに誘われて、飲みに行く事になった。