きっかけはK先輩の家で学祭の打ち上げをやったことでした。
学祭のアトラクションをやったグループで打ち上げをやろうという事になったのですが、バリバリの進学校で校則が非常に厳しい高校だったので、絶対に外に出ないという約束で先輩の家で酒宴が行われました。
先輩の家はお金持ちで相当の広さの客間があり、また酔った状態で帰すわけにも行かないと、参加者全員お泊りということで催されました。
僕は中学がわりと荒れてて、飲み会自体は初めてではなかったのですが、こういう形で打ち上げは久しぶりだったので、皆と同じようにハメを外して楽しんでました。
飲み会が進んで、アトラクションの練習中からちょっと怪しいなぁと思ってた二人がカップルになったり、僕が少し憧れていたS先輩に彼氏がいてショックだったとか、そういう話で盛り上がりました。
深夜を超えた頃には、酔い潰れた出来立てのカップルを一緒の布団に放り込んだりとか、美人なA先輩がキス魔になってファーストキスを奪いまくったりとか、かなり乱れた感じになりました。
僕はムラムラしながらもそんな中に加われず、客間を出て、格好をつけて縁側で外を見ながら缶ビールを飲んでました。
K母「どうしたの?こんなとこで一人で・・・」
ゴミの片付けや寝床の準備をしてくれたK先輩のお母さんが、僕に話し掛けてきました。
僕「いや、どうも賑やかなのは苦手で・・・」
客間に未練を感じつつも、仲間に入れない自分に苦笑いしてました。
K母「あら?もしかしてNくん?覚えてない?ほら、あたし。
A中のさ」
A中のさ」
先輩のお母さんは僕の中学で事務をしていた人でした。
僕は部活の部長や生徒会役員をやっていたこともあって、職員室へはしょっちゅう行ってたので、お母さんは僕の顔を覚えててくれたようでした。
K母「うちの子が、Nくんっていう中学の卒業生がいるって言ってたけど、ホントにNくんだったのね」
そう言って笑ってました。