どこの中学校にも大抵居るようなアイドルが、僕の学校にも居ました。
性格も良くてとても明るく、ルックスもかなり上でした。
その子を仮に『Rさん』と呼びましょう。
Rさんは女子バスケ部のキャプテンで、男子バスケ部員とも仲が良く、男子バスケ部員がとても羨ましく思いました。
なぜなら、僕もRさんのファンの一人だったからです。
僕は男子テニス部に所属していました。
ある日、間近に迫った大会に備えて、下校時刻の午後6時をとっくに過ぎても、僕は夢中で練習していました。
そのため、学校に残っている生徒も多くはなかったのですが、僕はあの異変に気付きもしませんでした。
ただ、気になっていたことは、いつも部活に来ているはずの先輩達が居ないという事だけでした。