年子だったせいか、性的な対象として見た事は一度もなし。
まぁ、成長した裸をうっかり見た時はちょっとドキっとしたけど、なんつーか「うわっ見ちゃった!」みたいな。
やなもんみたな~って感じじゃないけど、得したって気にはなれない。
なんか生々しい。
んでさ、ねーちゃん、顔だけで言うと、ってゆーか客観的に見ていい女だと思うのね。
同級生とか羨ましがってたし。
俺には分かんないけど。
それなのに処女だったのさ。
理由はまぁ単純に奥手だったからだと思うんだけど、そーいう話すると真っ赤になってたし。
なんか今まで男っ気ってのが本当に無くて、なんか独特の処女臭さってのもあったし。
それがさ、先日彼氏ができたみたいで、なんか態度でモロバレなの。
携帯とか肌身離さないようになっちゃったり、部屋に篭ってこそこそ電話したり。
俺も親も“はは~ん”ってな感じで、まぁ生暖かく見守ってたのさ。
からかうのも何だし。
それが、しばらく経ってから、たまたま親が居ない日があって。
俺はまぁしょっちゅうフラフラしてたから当然のように出歩いてて、そのままどっか泊まるつもりでいたんだけど、なぜかその日に限って家に帰ったんだよね。
まぁ、飲み会で好みのが居なかったから気分が落ちてたってのもあるかも。
家に帰って風呂入ろうとしたらシャワーの音がしたんだ。
(あぁ、ねーちゃん入ってるんだな~)くらいにしか思わなかったんだけど。
んでまた後でもいいか・・・とか思ってると、なんか風呂場からクスクス笑い声が聞こえてくんの。
まさか彼氏からの電話?風呂中でもおかまいなしか?なんて思ってたら、明らかに男の声もするわけよ!
すっげぇドキン!ってなってその場から動けなくなっちゃって。
耳はしっかり風呂場の音とか会話とか聞いてて、ドキドキしっぱなしなんだけど。
冷静に・・・っていうか、冷静じゃないかもだけど、脱衣カゴ見てみるとやっぱ男モンのパンツとかあって。
だせぇトランクスが。
(ねーちゃんが男連れ込んで風呂場で・・・!)って腰抜けそうになった。
なんか、確実に今夜は誰も家に居ないとか思ったんだろうな~とか、んで、それをチャンスにさっそく男連れ込んでんだな~とか色々考えちゃって。
あのねーちゃんが。
綺麗なくせに真面目でやさしいあのねーちゃんが。
ただの馬鹿な雌に成り下がってるわけよ。
扉一枚隔てた向こう側で。
こうやって誰か帰ってきちゃったりとかも想像できないようなただの馬鹿に。
なんかさ~すげぇショックで。
どんな男なんだろう?とか思った。
真面目で世間知らずな女をこんな馬鹿女にした男ってのは、やっぱり同じく世間知らずの馬鹿なのかなと。
二人で今まで知らなかった世界に浮かれちゃってんのかなと。
も~なんか色々頭ぐるぐるして、逃げる事もできずにボケーっとつっ立ってた。
したらさ、ハッとなった。
風呂場から聞こえるんだよ。