俺「今度お礼に晩メシおごるよ」
奈緒子「ホントですか?じゃ都合の良い日をメールします」
・・・という会話をした。
俺には何の下心もなく半ば冗談のつもりだったので、その後忘れかけていたが、半月くらいしてメールで返事が飛んできた。
『急で申し訳ありませんが、今夜じゃダメですか?』との事。
その夜は予定もなく、仕事も早く終わりそうだったので、待ち合わせの場所と時間を指定し、『行きたい店か、食べたい物を考えておくように!』と書き添えて返信した。
奈緒子はその時27歳。
腰近くまで伸びるストレートヘアに、細面で切れ長の眼を持つ典型的美人型。
身長は170センチ近くあったが、体も細身で、胸もさほど大きくなかった。
しかし尻が外人のように大きく張っているのは、彼女が好んで着るAラインのロングスカート越しでもよく分かった。
待ち合わせの喫茶店に行くと、いつも奈緒子と仲良くツルんでいる若菜もちゃっかりついて来ていた。
淡い期待を抱き始めていた俺は、内心“チッ!”とがっかりしたが、「やぁ、今夜は両手に花だな!」などとオヤジまがいのギャグをかまし、恐縮する若菜を歓迎した。
若菜は奈緒子の1コ下の26歳、身長は160センチ少々で中肉からやや細め。
あどけなさの残る大きな瞳と、いつも着ているゆったりした服のおかげで気がつかなかったが、後にかなりのナイスバディであった事を知る。
その夜は結局、『食う』より『飲む』事になり、彼女たちが希望するホテルのラウンジ・バーに行った。
飲み始めてしばらくは職場の事などを賑やかに話していたが、妙な眼くばせをした途端に二人とも俯いてしまった。
俺「ン?」
何かオネダリするような顔つきで見上げる奈緒子に問いかけの視線を送ると・・・。
若菜「実は、Tさんにお願いがあるんです。
私達を抱いてください!」
私達を抱いてください!」
小声で一気に喋り、頬を真っ赤に染めてさらに深く俯いた。
あまりの驚きに思わず椅子から腰を浮かせてしまった俺は、ハンカチを出すフリをして取り繕いながら座り直し、二人に顔を近づけ、ヒソヒソと話した。
俺「どういう事なの?」
若菜「奈緒子さんの言った通りです」
俺「いやだから、何でそんな事を?」
奈緒子「こんなところじゃ詳しく話せません。
部屋を取ってありますので、そちらで聞いてもらえますか?」
部屋を取ってありますので、そちらで聞いてもらえますか?」
俺「!?」
さっきよりは驚きはしなかったが、ワケが解らなくなった。
(抱いてくれ?部屋を用意した??)
ツインの部屋に入り、“ホッ!”と大きなため息をついた若菜は、いつものいたずらっぽい表情で、「ルーム・オーダーして続きを飲みましょ!」と、メニューをめくり始めた。
しかし奈緒子は相変わらず真っ赤な顔で俯いている。
注文を済ませると、料理とワインが来るまでの間に交替でシャワーを浴びる事になり、奈緒子と若菜は一緒にバスルームに入っていった。
(あいつらレズってウォーミング・アップしてるのか?)
そう思うほど長いシャワーが終わり、バスローブを身に纏った二人は、濡れ髪を拭きながら出てきた。
バスルームに消えるまで続いていた奈緒子の緊張も解れたらしく、長い黒髪にタオルをあてながら小首を傾げて微笑んでいた。
続いて俺が入り、ササッと湯を浴びると、『大事なところ』だけ念入りに洗った。
バスタブの中で体を拭いている間に、ルームサービスが来たらしい物音。
(ツインの部屋にバスローブ姿の男一人と女二人じゃ、何か怪しいよな・・)
そう思った俺は、そのまま音を潜めてボーイが出て行くのを待った。
バスルームを出ると、二人は料理の並んだテーブルと椅子ニ脚を、片方のベッドの近くに運んでいるところだった。