家が隣同士で同い年。
どちらも一人っ子で、誕生日も近い。
物心ついた頃から兄弟のように育った。
どっちかと言えば健は外交的で僕は内向的なんだが、それがいい具合だったのかもしれない。
喧嘩して「絶交」したこともあるけど、いつの間にか一緒にいる。
家族に言えないことも相談し合える存在だ。
2人の母親同士も大の仲良し。
年が近いし(健のママが1コ上)、だいたい同じ時期に結婚してこの街に来て、同じ時期に子供を産んだ。
家族構成とかも似てたから、子育てや近所付き合いのことで互いに相談したり、手伝ったり、愚痴を言い合ったり。
しょっちゅう2人で出掛けるし、よく互いの家に来て、お茶を飲みながらお喋りしてた。
健のママ・・・慶子さんて言うんだけど、ちょっとした美人でもある。
水沢アキを若くした感じかな。
背が高くて細身だけど、体はそれなりにメリハリがあって、胸元から覗く谷間や、短めのスカートから伸びるスラリとした脚がたまらない。
小6でオナニーを覚えてから、慶子さんがナンバーワンのオカズになるのに時間は掛からなかった。
さすがに健に申し訳ないなと思ってたら、実は健も僕のママをオカズにしてたんだ。
健と猥談してたとき・・・といってもガキ同士だし他愛ない内容だけど、健が打ち明けてくれた。
「お前には悪いと思ってるけど、俺、美沙子おばさん(←僕のママ)もオカズにしてんだ」
それも、やっぱりナンバーワンだという。
もちろん驚いたけど、正直、健の気持ちも分からなくはない。
僕のママ、慶子さんとタイプが違うけど確かに美人。
松下由樹似…かな。
どっちかと言えば小柄で、胸とお尻は結構ボリュームがある。
かといって本人が気にするほどは太ってるわけじゃなくて、体のラインはかなりエロい。
健には言わなかったけど、僕も我慢できず何回かオカズにしたことがある。
ムチャクチャ興奮する代わり、終わってからものすごい罪悪感で落ち込むから、僕にとっては「最終兵器」だったけど。
「ええっ、お前も?」
僕も思わず慶子さんのことを告白。
何だか変な連帯感みたいなものが生まれて、それからというもの、互いの母親に関する妄想を話すようになった。
家族でプールに行ったときのママの水着姿の写真とか、タンスから失敬したママの下着とかを交換したこともある。
今から思えば男2人で何やってんだって感じだけど、これで2人の絆というか友情がますます深まった。
中1の夏、僕と健の親子2組で東北の温泉に行った。
本当は父親たちも来るはずだったけど、健のパパの都合がつかず、「じゃあ、女子供だけで」となったわけ。
健の一家・・・というか慶子さんと一緒の旅行は5年ぶりくらいだから、飛び上がるほど嬉しかった。
もちろん健も、うちのママと一緒で大喜びだ。
当時、僕のママは35歳で、慶子さんは36歳だったと思う。
旅行の前日、遊びに来た健が、そっと僕に白い錠剤を見せてくれた。
不思議そうな顔をする僕に小声で説明する。
「これ、うちのママの睡眠薬」
眠れない夜に慶子さんが使ってるという。
「まさか・・・」
これまでも、眠り込んだママにあんなことやこんなことして・・・なんて妄想を2人で話したことはあったけど、実際になんて・・・。
「本気かよ?」
ビビる僕に、健は「チャンスがあればってこと」と強がってみせる。
僕も何だかその気になって、錠剤をすりつぶして粉にするのを手伝った。
慶子さんが運転する車で温泉宿に着いたのは夕方だった。
とりあえず近くを散策して入浴。
浴場はたくさんあって、せっかくだから一番大きなのに入ったけど、残念ながら男女別浴だ。
地元食材をふんだんに使った夕食は美味しかったけど、僕らはそれどころじゃない。
といっても配膳は仲居さんがしてくれて、薬を仕込むチャンスなんてなかった。
お膳が下がって布団も敷かれ、ママたちはまだビールを飲んでた。
2人とも普段は飲まないのに、旅行先でリラックスしたんだろう。
僕が半分諦めながら健と対戦ゲームをしてたら、ママが追加注文したビールが届いた。
「僕が注ぐよ」
健は立ち上がると僕に目配せする。
「あんたは飲んじゃダメよ」
なんて声を掛けて、ママたちはお喋りを続けてる。
健はママたちから見えないような体勢でコップにビールを注ぐと、粉にした睡眠薬をポケットから出してサッと混ぜた。
「ありがと」
ママたちは怪しむ素振りも見せずコップを受け取ると、美味しそうに飲み始めた。
僕も健も緊張で顔が引きつってる。
5分・・・10分・・・母親2人に変化はない。
やっぱりダメか、冷たいビールだから薬が溶けなかったのかも…とか考えながら、子供2人はゲームを続行。
再び熱中し始めた時、健が「おいっ」と小さく声を掛け、アゴでママたちの方を指した。
そういや話し声が途切れてる。
薬を飲ませて30分くらい。
振り向くと、慶子さんは机に突っ伏して、僕のママは座椅子で丸まるように眠ってた。
「ねえ・・・ママ?」
健が声を掛けたが反応はない。