夫を見送り、息子を幼稚園へ送り届け、残りの洗濯物を片手に同じことを繰り返す毎日。
決して夫が嫌いな訳ではないし、息子への愛情が薄れることもない。
けれど…
欲求不満と片付けるのもどこか違う。
ありふれた日常への不満が、私の中にあったということだと思います。
ある日。
息子を迎えに行く前に買い物を済ませようと、地域のゴミ置き場の前を通りがかった時。
見た感じ中学生くらいでしょうか。
まだ幼さの残る顔立ちの男のコが、私を見て…そそくさと立ち去ったんです。
なんだろうと気になって探っていたあたりを見てみると、積み重なっていたのは5、6冊ほどの成人雑誌。
しかも一番上にあったのはSM関連の…
表紙を見ただけで少し引いてしまうような内容でした。
私は買い物をとりあえず諦め、雑誌を処分しようと2回に分けて持ち帰ったんですが、ふとゴミ捨て場に目をやると、さっきの男のコが戻ってきていたんです。
私は迷いました。
性に興味があるのは…あのぐらいの男のコになれば普通の事。
ただ、SM雑誌を見ていたというのが、同じ男のコを持つ母親として口を挟まずにはいられませんでした。