男子の2〜3人が39℃の発熱、女子の1人が腹痛(盲腸だった)というかなりの危機的状況で、最終日前の旅館は大騒ぎだった。
担任とクラスの仲良い子が看病したり病院についていったり。
そんな中、鬼軍曹と言われていた恐怖の体育教師が1人、浮き足立つ僕等を抑えていた。
僕とK(女子)はその教師の顧問の陸上部の部長をしていた事、またクラス委員だった事もあり、顧問の指示で巡回をする事になった。
『こういう事態だから大人しくしているのは無理だろうが、せめて旅館から出たり、騒いだりしなければ遊んでも可』
という暗黙のお達しを守らせるためであったが。
そんな、深夜の事である。
日が変わる頃だったろうか、顧問より休んでいいとの指示を受けた。
半数くらいは起きていたが、後は定期的に顧問の方が巡回する、と言うのである。
その日一日はとにかく顧問の指示で動き回っていたので、風呂にも入っていなかった。
そこのお風呂は深夜2時までOKで、本当は修学旅行生の入浴時間は決められていたが僕ら2人は特別に今から入っていい、と。
続きを読む