『おはよ〜。ほら、起きて! 早く準備して!』
僕は、身体を揺すられて目が覚めました。完全に熟睡状態で起こされたので、まったく状況が飲み込めません。目を細く開けると、目の前に有美さんがいます。僕は、昨日あんなことをしてしまったので、夢に出てきたんだと思いました。
でも、有美さんは僕の身体を揺らしながら、
『ほらほら、顔洗っておいで』
と、声をかけ続けます。僕は、やっとこれがリアルなんだなと理解しました。今日は、土曜で学校は休みです。昼まで寝ようと思っていました。僕は、寝ぼけたまま、どうしたんですかと聞きました。
『ダメよ、カギくらいちゃんとかけとかないと。ほら、すぐ出かけるわよ』
有美さんは、僕をせかすように言います。僕は、何か約束でしたっけと質問しながら、何か約束を忘れてしまったのだろうかと、不安になりました。
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