僕は、典子に、
「本当に、明日お客さんと会うつもりなの?」
と、質問した。典子は、服を着ながら、
『うん。だって、お店じゃ集中できないし。明憲も見たいんでしょ?』
と、ニヤけた感じで聞いてきた。僕は、そんなことはないと言おうとしたが、その言葉がどうしても言えなかった。
『やっぱりね。じゃあ、明日は明憲の前で、いっぱい楽しんじゃうね。でも、イヤになったらすぐ言ってね。すぐやめるから』
典子は、そんな風に言うと、さっさと寝てしまった。あっという間に寝息を立て始める典子。今日は、4人もお客さんを相手にして、クタクタなのだと思う。
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