淫獣の餌食たち・・4

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淫獣の餌食たち・・4

 優子は夢を見ていた。
 あまり見ることのない、淫らな恥ずかしい夢だった。
 どこかわからない室のベッドの上で、優子は全裸で仰向けになっている。
 夢の中で何故か優子は全身を汗にまみれさせていた。
 身体の中が熱かった。
 膨らみの豊かな乳房の頂点で、薄いピンク色の乳首もどうしてか固くしこっている。
 剥き出しの白い足の膝が折れ曲がって立っていた。
 左右に開き気味の足の間に、見覚えのあるパンチパーマの黒い頭が見える。
 優子の身体の下のほうにいる、その男の顔に見覚えがあった。
 赤黒く日焼けした木村の顔だった。
 母の恋人である木村がどうして?と優子は一瞬思ったが、そのことを深く訝しむ心の余裕は、
その時の彼女にはなかった。
 身体だけでなく気持ちまでひどく昂まっていた。
 剥き出しの全裸でいる優子の身体の最も敏感な部分に、男の固い指による淫靡な愛撫の
刺激を受けていたのだ。
 「あぁっ・・・」
 優子は白い首筋をのけ反らすようにして、思わず湧き出た喘ぎ声を漏らした。
 男の節くれだった指が、優子の下腹部の漆黒の中深くに突き刺さっていた。
 二本の指が優子の身体の中に侵入していた。
 その指先が中のほうで妖しい動きを繰り返していた。
 長く体感したことのない、女としての官能の心地のいい疼きが、優子の脳髄を強く刺激して
いた。
 自分一人の自慰行為では感じることのできない、それは痺れ狂うような快感だった。
 男は間違いなく、つい今しがたまで会話をしていたはずの木村だ。
 現実と夢が優子の頭の中で混同しているのだ。
 母が愛する木村がその娘である私を何故?という疑問がかすかに優子の頭を過った。
 好きでも何でもなく、自分にとって全くの他人である木村に、どうして自分は恥ずかしい裸身
を曝しているのか?と、優子は思ったが、木村の指による愛撫の手管の前で儚く雲散霧消しか
けていた。
 どうでもいい。
 今はこの快感に酔い痴れたい、と優子はそんな気持ちになっていた。
 木村の固い指が淫靡な抜き差しを繰り返している自分の身体のその部分に、これまで女とし
て体験したことのない快感が集中してきていた。
 「あぅっ・・・!」
 もうそこで気絶しそうになるくらいの愉悦感に苛まされていた、優子の半開きの口からまた短
く喘ぎ声が漏れた。
 腰を浮き上がらせ、丸くポッチャリとした全身を、優子は生まれて初めてといえる喜悦にわな
なくようにうち震わせていた。
 「ひぇーっ!」
 という木村の頓狂な声が、優子の身体の下のほうから聴こえてきた。
 木村の指の侵入を自在に許している優子のその部分から、どくんとまるで小水のような熱い
体液が溢れ出ているのが、彼女自身にもわかった。
 「すげぇな・・!」
 木村の驚きの声がまた聴こえた。
 真夜中の室で一人、自慰行為に耽っている時に耳に入る、母の激しく悶える声が、唐突に優
子の頭に浮かんだ。
 「あぁっ・・あ、あなた・・・あなたのチンボがほしいっ・・ほしいの!」
 「わ、私の・・オ、オメコに早く入れてっ!」
 淫らなメス犬になりきったような母の声が、優子の脳髄に何度も響いて聴こえた。
 「あぁっ・・・お、お願いですから・・は、早く入れてくださいっ!」
 両手を空中に彷徨わせながら、優子は下にいる木村に向かっていった。
 「ん?・・ほしいのか?」
 木村が下から顔を上げて聴いてくる。
 優子は激しく被りを振って何度も頷いた。
 「何がほしいんだ?」
 「あ、あなたの・・・チ、チンボが・・あぁっ」
 「ふふん、母親と同じだな・・・どこにほしいんだ?」
 「あぁっ・・・わ、私のオメコにっ!」
 優子の淫夢はそこで立ち消えた。
 その夢の快感の余韻が残る中でふと目を開けると、すぐ真上に木村の顔があった。
 慌てて目を見開くと同時に、下腹部のほうから夢にも勝るような喜悦が優子の全身を襲って
きていた。
 木村の引き締まった赤黒い上体が、優子の身体の上に覆い被さっていた。
 ベッドに手をついた木村の両肩に、優子の少し太めの白い両足がかかっていた。
 海老折りのようにされて、優子は木村の激しくつらぬかれていたのだ。
 めくるめくような快感に優子は木村の下で、時折、白目を向けたりして悶えと喘ぎの声を上げ
続けていた。
 「ああっ・・いいっ・・し、死にそうっ!」
 「どこがいい?」
 「オ、オメコッ!」
 優子の身体の中の最奥のほうまで、木村の突き刺しているものは届いていた。
 そのことを実感していたのは優子本人だった。
 優子をつらぬいている木村の腰は間断なく動き続けていた。
 丸くポッチャリとした身体が海老折りにされている息苦しさもあったが、それ以上の愉悦感に
優子の全身は息も絶え絶えなくらいに熱く燃え上がっていた。
 木村に犯されているという実感すら希薄になっていた。
 どこまでが夢でどこまでが現実なのか、優子はわからなくなっていた。
 しかしそれももうどうでもよかった。
 このままずっと木村に抱かれていたいと優子は思った。
 「あぁっ・・あ、あなた」
 そのことを優子は木村に告げようとした時、身体の中の奥深い部分の肉襞に彼のものが突
き当たってきて、
 「ああっ・・!」
 と首をのけ反らせて一際高く咆哮の声を上げた。
 木村の肩から優子の両足が離れた。
 木村の顔が優子の顔の前に接近した。
 優子の両腕がまるで恋人にでもすがるように、木村の首に巻きついた。
 唇が強く重なる。
 煙草と酒臭い木村の息が優子の口の中に充満したが、それすらも気になることはなくなって
いた。
 木村の長い舌に優子は激しく自ら呼応していた。
 木村の唾液が喉元に流れ落ちる。
 この人に長く愛されたい、と優子はその時そう思った。
 長く唇を貪り合った後、唐突に木村が動き、優子から身体を離してきた。
 一瞬、不服そうな顔をして優子は木村を見上げた。
 木村が優子の前に仁王立ちしてきた。
 「座れ・・」
 優子を見下すようにして木村が短くいう。
 木村の言葉に従い優子は上体を起こした。
 優子の顔のすぐ前に木村の股間があった。
 股間の漆黒の繁みの中から、優子の体液に濡れそぼった木村の異様な長さのものが真横
に屹立していた。
 木村が何を望んでいるのかを優子は察した。
 唇を股間の漆黒に寄せ、優子は木村の屹立したものを口の中にゆっくりと含み入れた。
 優子自身にはあまり体験のない行為だったが、不思議に躊躇いはなかった。
 木村の長いものはすぐに優子の喉奥に当たり、思わずむせ返りそうになる。
 優子は必死に堪え、木村に尽くすことを心がけた。
 つらぬかれている時もそうだったが、木村のものを口の中に含み入れての愛撫も、優子の
人知れぬ被虐心を強く刺激した。
 相手は間違いなく自分の母親の恋人であり、それまでの面識は皆無で、会話もほんの少し
前に言葉を交わしたくらいの男に、これほど一気に屈服に近い状況にさせられるとは、優子
自身も思ってもいないことだった。
 えづきやむせ返りに堪えながら優子は、丹念に木村のものへの愛撫を続けた。
 もう木村に抗う気持ちは欠片すらなかった。
 そもそも優子は恥ずかしい淫夢から目覚めた時に、もう木村のつらぬきを身体の中に受け
ていたのだ。
 木村と向かい合って会話をしていた記憶はある。
 彼が買ってきてくれたフルーツジュースを飲みながらの、よそよそしく他人行儀的な会話だっ
たような気がする。
 予期せぬ事情で、同じ屋根の下に住むことになったのも、つい最近のことである。
 優子自身も異性としてはまるで眼中にはなかった男だったのだが、母と木村の夜の行為の
声を聴くようになり、それではしたなくも自分が自慰行為に耽ってしまったことから、何気に心
に残る程度だったのだ。
 あのぎこちない会話の後の記憶が優子にはなかった。
 気づいた時には木村の身体の下にいたのだ。
 優子に自分のものを咥えさせ仁王立ちしていた木村の手が、優子の頭を掴んできた。
 その行為から優子は解放されたが、そのままベッドの上に四つん這いの姿勢を強いられた。
 木村が優子の丸い豊満な尻肉の後ろに、木村がゆっくりと膝をついた。
 後ろから犯されるのだ、と優子は自覚した。
 この態勢での行為は、優子のこれまでの多くはない男性体験ではないことだった。
 動物的な行為という漠然とした知識しか優子にはなかった。
 木村の固く屹立した異様な長さのものが、滑ったままの優子の中へ押し入ってきた時、
 「ああっ・・す、すごいっ!」
 と思わず首を突き上げるようにして、これまで以上に高い呻きのような声を上げた。
 これこそがつらぬかれるという感覚だと、優子は一瞬思った。
 木村の長いものは膣肉の奥壁を突き破り、優子の腹部と喉を伝い、口の中から飛び出てき
そうなくらいに強烈な体感を与えてきていた。
 犯してっ、もっと私を滅茶苦茶にしてっ、といつだったか母が夜に叫ぶように悶えていたのは、
きっとこの行為の時ではなかったかと、そんな思いに優子は一瞬駆られた。
 最初はゆっくりだった木村のつらぬきに、次第に速さと力強さが加わってきていた。
 「あぁっ・・わ、私・・へ、変に・・変になるっ!」
 「何もかも母親と同じだな、お前。お前の母さんもこの体位が好きだぜ、ふふ」
 「き、気持ちいいっ・・・し、死にそうっ!」
 「これからは、お前も俺の奴隷になることだ。え?なりたくないか?」
 「な、なりますっ・・・あ、あなたの奴隷になります」
 「なりますじゃないだろ。奴隷にしてくださいっていわねぇと」
 「あぁっ・・は、はい。あ、あなたの奴隷に・・し、してくださいっ!」
 この時の優子には淫獣の申し子のような木村が、もう神以上に思えた。
 母の佐智子の子供という身分も、雄一の姉という立場も何もない。
 ただこの人のために尽くしたい、と優子は本心からそう思った。
 男性体験が少ないはずで、性行為そのものの経験も、三十歳という年齢に比しては少ない
優子の女としての身体を、たった一度の接触で彼女の奥底に秘められていた女自身を淫らに
開花させた木村は、正しく淫獣の権化というほかはなかった・・・。

 そのことがあってからの姉と木村の関係は、さらに深いものになったのは当然のことでした。
 家の中ではさすがに母親の手前もあり、親密さを伺わせることはなかったようですが、二人で
示し合わせての外での逢瀬がしばらく続いたそうです。
 勤務終了後に大型スーパーの駐車場で待ち合わせ、一台の車でラブホテルへ直行し、姉は
木村の毒牙の前に身も心も屈服していったようです。
 姉が僕に聴かせた話ですが、木村と二度目にホテルに入った時、SM部屋というところに入っ
たそうです。
 そこで初めて縄で身体中を縛られ、恥ずかしい行為を何度も経験させられたようです。
 このSM部屋にはお前の母親ともよく来る、と木村は姉の前で平気で嘯いたりするらしいです。
 親子だから母親と同じように責めてやるといわれ、縄の拘束だけではなく、余った縄尻で尻を
叩かれたり、大人の玩具的なもので全身のあらゆる部分を責め立てられたりしたようです。
 「始めはすごく嫌だったけど、あの人にされていると思うと・・・何だか身体が自然に熱くなって
きたりするの」
 と姉は顔を恥ずかしげに俯けて、僕に話したのでした。
 そして何度目かの時、アナルを犯されたと姉は僕に告白しました・・・。


             つづく
 


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