正直自慢話の一つにすぎない。
あれは確か、将来妻となる女に出会う、一年ほど前のことです。
あれは確か、将来妻となる女に出会う、一年ほど前のことです。
高二の僕は、今と変わらずモテていました。
そいつは、その頃、僕より一個下の16歳で、偏差値の低い女子高に通うバカ女でしたね。
そうだ、今回は妻とのエッチな話のインターバルに、この女の話をしましょう。
「あたしとさあ、付き合ってくんない?」
チューインガムを噛みながら斜めに構え、制服のブラウスを第二ボタンまで開けて、安っぽい、と鼻で笑ってしまうようなシルバーのネックレスを細い首回りにチラつかせ、肩より少し長めの茶髪に軽くウェーブをかけた、ヤンキー女子高生が下校途中の僕の行く手を塞ぎました。
「ざーけんな、バカ」
鞄を担ぎ直し、相手にするのも面倒臭く、僕はそのヤンキーの横を素通りします。
「待ってよ!」
太々しく、そのヤンキーは僕を追いかけてきます。
「うっぜえんだってよ」と僕は振り返りもしません。
「やっぱ」と僕の前へ駆け出し、みっじけえスカート、品も質もありゃしねえ、また進路を塞ぎ、「皆んなの言うとおりだね」とヤンキーは僕に振り返ります。
「言うとおり?」と僕は顰めっ面を、忙しいんだよ、と車道に向けました。
「うちの友達らが、あんたにことごとく振られたってさ」
その制服見りゃわかる、どこのアホ学校か。
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