四人組でオレはボーカルを担当していたのである。
バンド自体は学校の卒業と共に解散したが、それでも校内で数十人くらいのファンはいた。
まあ音楽の世界で食べていこうというメンバーもいなかったので、それを考えれば上々だろう。
バンド名も「サウスアスター」とテキトーで、よく考えれば何かのパクリであることも気づく人もいるくらいだ。
バンド名も「サウスアスター」とテキトーで、よく考えれば何かのパクリであることも気づく人もいるくらいだ。
そんなテキトーな存在も、それから解散してからは特に復活も無く、ただの同級生か飲み友となっていく。
そんなオレだが社会に出て数年たったあるとき、会社の帰りに一人の女性に声をかけられた。
「す、すいません。
サウスアスターの方ですよね?」
サウスアスターの方ですよね?」
その時はとても久しぶりに聞いた言葉だった。
自分でも「オレの事?」と思うくらいその名前は頭に片隅に追いやられていることに。
自分でも「オレの事?」と思うくらいその名前は頭に片隅に追いやられていることに。
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