去年の初夏のこと。
俺はまた性懲りもなく渋谷のクラブ『A』に来ていた。
目的はナオに会うためだ。
ナオと知り合ったのは、その1ヶ月前。
始発まで暇を潰すために、さして興味もない女の子と話していたところ、たまたまドリンクを持って現れたのが、その子の友人のナオだった。
ひと目惚れだった。
165cm以上はあるモデルっぽい長身、小麦色に日焼けした肌。
今どきのお姉ギャルスタイルに、男をバカにしたような挑発的な切れ長の瞳。
アルバの黒のタンクトップにジーンズの短パン。
そこから伸びた長くて触り心地のよさそうな脚を見ただけで、思わずよだれが出そうになった。
19歳のナオにとって、身長も低く、30過ぎのオヤジの俺は明らかに侮蔑の対象でしかないらしく、シカト同然であしらわれただけだった。
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