ろくに顔写真も見ず、無指名でホテルで待つこと10分。
そこに現れたのは、倒産した前の会社の同じ課にいた同僚で、まさに俺の高嶺の花だったY美。
勤めていた当時、何度か誘ってみたものの見事に玉砕して、どうにもならない俺はY美をズリネタしていたものだった。
向こうも俺に気が付いて、明らかに嫌な顔して「ごめんなさい、チェンジしてもらったほうがいいですよね」と早々に帰ろうとする。
Y美の腕を引っ張り、「まあ、中に入りなよ」と強引に引きずり込んで「大変そうだね、なかなか再就職は難しいよね」と声をかけるも、「あの・・・私、・・ちょっと無理なんで・・・チェンジしてもらっていいですか?」と半分パニックになってる。
こんなチャンスはまずないと、「選べるのはお客の方だよね?・・・クレームつけたくないし、俺、あまり時間もないんだよね」とチェンジする気のないことを伝えると・・・。
「Tさんが前から私に好意を寄せてくれてたのはわかっていました。
仕事中にいつも私のこと目で追っていたのも知ってます。
でも・・・私、あなたは生理的に無理なんです。
だから・・・お願いします。
帰してください」
仕事中にいつも私のこと目で追っていたのも知ってます。
でも・・・私、あなたは生理的に無理なんです。
だから・・・お願いします。
帰してください」
半ば泣きながら懇願してきた。
(・・・俺のことそんなにキモかったんだ。
そんなに俺のこと嫌いだったんだ・・・)
そんなに俺のこと嫌いだったんだ・・・)