彼は出会ってからずっとうつむきっぱなしで、ゆらの顔さえ直視できていなかった。
ゆらはちょっと先走りすぎたなぁと反省した。
ゆらにとってはごく普通の日常的な非日常のセックスではあるが、彼はこれから一回りも年上の人妻に童貞を奪われてしまうのだ。
もう少し彼の緊張を解いてあげなくては、彼は今にも逃げ出してしまいそうであった。
ただもともと小柄な上、不健康的なまでに痩せた彼の体を見れば、ゆらにも彼を押さえつけるくらい容易く出来そうであるとも感じた。
彼のか細い腕はまるで女性のそれに見まがうかのように貧相で、まだ体毛も全くと言っていいほど生えていなかった。
彼はいまだにベッドの上で縮こまっていた。
緊張しているのは知っていたが、ゆらは彼が怯えているようにも見えてしまった。
急にゆらは彼を犯したい衝動に駆られた。
まるで小動物のような童貞に欲情した人妻の目つきは、飢えた獣の目そのものであったろう。
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