その病院は隣に寮があり、見習い看護婦さんが昼間は看護学校、夕方から病院で働くという感じだった。
俺は20才の大学生だったのだが、入院患者は若い男が少なかった事もあって、看護学生たちは個室の俺の部屋へ来て、色んな話をしてくれた。
最初、俺は重病患者だったからICUに入っていたのだが、その時に歯磨きを手伝ってくれたり、タオルで体を拭いてもらって個室へ移った時には、若い見習い看護婦さん達も気さくに話せる仲になった。
そのうちの一人、背が低くてものすごく子供っぽい見習い看護婦さんが俺の事を気に入ってる、という話を別の見習い看護婦さんから聞いた。
俺はどちらかというと、その事を教えてくれた見習い看護婦Tさんの方が気になっていたので、「ふぅ~ん」って感じ。
俺「ところでTさんは彼氏はいるの?」
Tさん「寮に入って看護学校通ってたら、そんな出会いの場なんてないよ」
俺「そうなんや・・・じゃ、忙しくて彼氏は今はいらないのかな?」
Tさん「そんな事ないよ」
この時、ベッドに寝ている俺と目がバッチリ合ってしまった。