年末の押し迫った金曜日の夜の出来事。
いつもならとっくに帰って来ている妹がその日は帰りが遅く、バイトの帰りに何所か遊びに行ったのかと思って、俺は風呂に入った。
大体毎日ほぼ決まった時間に入浴する俺は、その日もほぼ同じ時間に入浴していた時だった。
原チャリのエンジン音が近づいて家の前で止まったのを確認した俺は妹が帰って来たのだと分かった。
妹は高校卒業後、就職氷河期の煽りを受けて志望会社から内定を取り消され、やむなく就職活動をしながら近所のガソリンスタンドでバイトをすることにした。
せっかく商業高校を卒業して経理関係の仕事に就きたかったのにと、その願いも虚しく、唯一見つかったのがスタンドのバイト・・・。
俺はすぐに辞めると思っていたが、負けん気の強い妹は俺の気持ちを知ってか、毎日ちゃんと出掛けていった。
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