娘の彼氏に奪われて

下着

娘の彼氏に奪われて,寝取り・寝取られ

娘の男

それは私が仕事で外回りしている時でした。

錦糸町の繁華街を抜けたところに立ち並ぶラブホテル街。その奥にある取引先の事務所に向かっている最中に、不意に一台の派手な軽カーがカーテンのある駐車場から出てきました。
「危ないなぁ!!」
思わず足を止めて中のドライバーを覗きこんだ助手席に、私の妻によく似た中年の女性が。ドライバーは無視するようにけたたましくアクセルを踏むとそのまま猛スピードで走り去っていきました。
(い、今の・・・まさかな・・・)
どんな夫婦もそうですが、うちもご多分にもれず3歳年下の妻:弥生とは、40を過ぎてから年に1~2回の性交渉の関係に。娘の由里菜も来年は成人式を迎える中で、そんな関係もお互いに不思議とは感じていませんでした。まして若いころから通り一辺倒のSEXで過ごし、弥生もそれが当たり前と考えている地味で貞淑な妻です。まさか真昼間にこんなところのラブホテルに出入りする女では無い筈。くだらない妄想を抱いた私は、すぐに自分自身を思いを打ち消しました。それから1ヵ月ほど経ったでしょうか。

「お邪魔してます!!」
仕事から遅く家に帰った私を笑顔で出迎えた由里菜の横に、今風な顔立ちの若い男が立っていました。
「こちら私の友達の今井将人くん」
紹介された今井君は、見かけによらず礼儀正しく
「初めまして。こんな時間までお邪魔して申し訳ございません。もう失礼させて頂きますので」
あわただしく帰りの用意を始める彼に私も
「そんなに慌てなくても。それに次のバスは最終でしかも30分後だよ?もう少しゆっくりしていきなさいよ」
と理解のある父親らしく振る舞い言いました。
「大丈夫です。自分、車で来ていますから。それと食事まで頂いて有難うございました」
玄関先の話に、奥から出てきた妻に向かって彼は頭を下げます。先に車を取りに出た彼を見送ろうと私たち一家は家の前に出て待っていると、しばらくして派手な軽カーがライトを点けて止まりました。助手席側の窓が開き
「では今日は本当に有難うございました」
笑顔を覗かせて彼の車は走り去っていきます。

「どうしたの?」
呆然とした表情の私を、妻と娘が不思議そうにしながら声をかけてきました。
「いや、なんでもない・・・」
そうです。あの車はあの時、ラブホテルから出てきたあの車とそっくりだったのです。

「なぁ?今日の今井君だっけか。よくうちに来るのか?」
その晩、夫婦の寝室で並んで寝ながら、私は妻に聞きました。

「ええ、いつもは夕方で帰るけど今日は由里菜が夕食まで引き止めたのよ。どうかしたの?」
「いや。友達って由里菜は言ってたけど付き合ってるのか?
「うふふ、そうみたいねぇ。でもどうなのかしら・・・。由里菜ももう大人よ。親がそういうことを聞くのもねぇ・・・」
私の中では由里菜と彼、妻と彼が交互に頭をよぎります。まさか妻の弥生があの男に抱かれてるなんて・・・そんなことは絶対に許せない!!私の怒りは欲情へと変わり、隣でうとうとしかけた妻の肩を抱き寄せました。

「やだ、もう・・・どうしたの?私、疲れてるのに・・・」
妻は私の手を振り払うように、こちらに背を向けました。確かに、妻からすれば私の行動は不審に思えたでしょう。が、私には妻からの(あなたはもう男としての魅力は無いですから)と言われたように感じました。

その夜、私は夢を見ました。そこでは派手なベッドの上で、妻の弥生が白い肌を赤く染めながら、あの男を抱きしめ・喘ぎ・快感の声で果てる姿を。男は大きくは無いが形のよい妻の胸を口に含み、なめらかな肌をむさぼるように味わいます。そして私とは比べるまでも無いほどに巨大にそそり立つ肉棒を妻の股間に突き入れ、妻もそれを喜ぶかのように喜びの言葉をあげるのです・・・。

「あなた!!あなた!!」
ゆり動かされて起きた目の前に、心配そうに覗き込む弥生の顔が。
「どうなさったの?ひどくうなされてたけど・・・」
私は今の夢の話を出来るわけも無く、
「い、いや・・・ちょっとイヤな夢を見てただけだ。いま何時だ?」
「今?ええ、夜中の3時過ぎだけど・・・」
「そうか。ちょっと水を飲んでくる・・・」
立ち上がった私は、そのままトイレに入り自らの下着の汚れをふき取りました。情けない話ですが、この年になって・しかも妻を他人に抱かれてる夢を見て私は夢精をしていました。

(どうしたらいいのだろう・・・)
その日、私はいつものように仕事に集中出来ませんでした。その姿を心配に思ったのか、昼休みに上司が近づいてきて
「どうしたの?重さん。体の調子でも悪いのかい?」
と声をかけてくれました。咄嗟に私は
「すいません。いや、昨日なんですけど娘の彼氏ってのを紹介されまして。なんか心配になってしまって。くだらないことでご心配おかけします」
「いやいや、それは大事だよ。俺もさ、娘がいるから昔、同じ心配したもの。でさ、俺なんかは興信所でその付き合ってる野郎ってのを調べてみたもんさ。今となっては笑い話だけどねぇ」
(興信所!?そうか、その手があったのか!!)
私は上司にお礼を言うと、駅から会社に来る途中の興信所を思い出し、その足で訪ねました。

家への帰り道、私は興信所に調査を依頼したことを思い出しながら、ひそかに後悔していました。
興信所ではこのような調査はよくあると言って、私自身への罪悪感を感じさせないようにうまく話を誘導してくれます。私はあえて娘の父親として、あの今井という若者を調査してほしい・どのような生い立ちでどこに暮らしていて・娘以外にも付き合ってる女性はいるのか・・・。
調査料は思ったほど高いものではなく、まずは2週間の素行調査という内容でした。

家に帰ると娘は二階の自分の部屋にいるのか出てきません。私はうがいの為に洗面所に行くと、妻はちょうど風呂を使っていました。なにげなく妻の着替えの下着に目をやり、愕然としました。そこには今まで見たことも無い赤い派手な上下の下着がきちんと揃えて置いてあったのです。あの貞淑な、服装も地味な妻が・・・結婚して以来、彼女がこんな下着を着けていることさえ私は目にしたことがありませんでした。
(いったいどうしたんだ・・・お前も俺も、もう40を過ぎた中年じゃないか!?こんな下着を誰に見せるんだ!!)
私の疑念が再び頭を持ち上げるのを抑え切れませんでした。

居間で一人、冷えた夕食を目の前に眺めながら、先ほど目にした妻の派手な下着のことを考えていると
「あら?お帰りなさい。ごめんなさい、お風呂に入っていたから」
洗い髪をタオルで拭取りながら、妻はパジャマ姿で現れました。
「あぁ、知ってる。それよりさっき脱衣所で見たあの派手な下着。あれお前のか?」
妻は恥ずかしそうに笑いながら
「やだわ、見られちゃったのね。ええ、そうよ。この昨日いらっしゃった由里菜のお友達の今井さんからプレゼントされちゃったの。うふふ、やっぱり派手よねぇ」
私は全身が怒りで熱くなり思わず
「なんだ、あの男は!!友達の母親にあ、あんな下着を渡すような常識知らずなのか!!」
不意の私の怒りで一瞬きょとんとした表情の妻は、次の瞬間には笑い出し
「うふふ、やあねぇ。なに勘違いしてるのよぉ?そんなことあるわけないじゃないの。今井さんが由里菜に昨日のお礼にってお昼ご飯をご馳走しようとしたら、あの子ったらお昼ご飯よりこれ買ってって下着売り場に連れてってねだったそうなの。でもあの子ったら試着もしないで買ったらしくて帰って着てみたらサイズが小さいんですって。だから私にあげるって。私も交換してもらえばいいじゃないのって言ったんだけど、今井さんが自分のカードで買ったからいっしょじゃないと交換できないんですって。それに今井さんも恥ずかしかったのかしら。下着売り場には二度と付き合いたくないって言われたんですって。だから私がプレゼントされたって言ったのよ。」
事の顛末を聞いて、興奮してしまった私が困った表情をしていると
「でもちょっとうれしいわぁ。あなたがあんな若い人にヤキモチ妬いてくれるなんて。そんな気持ちをまだ私に持っててくれたのね?」
クスクスと笑いながら妻は部屋を出て行きました。私も自分の勘違いを恥じながら、誤解だったことにほっと胸をなでおろしました。

「なぁ?あの下着・・その・・なんだ。いま着けてるのか?」
布団に入ってスタンドの灯りで本を読む妻に、隣で布団に入った私は尋ねました。
「うふふ、興味あるの?ええ、せっかくだから・・・」
顔を上げずに妻は本に夢中になりながら答えました。
「そうか・・・いや、俺もおまえがあんな下着つけてるのを一回ぐらい見てみたくてな」
ようやく顔をあげた妻はこちらを見て
「やだわぁ、恥ずかしいもの。こんなおばさんの下着姿なんて見せられないわよ」
「そりゃそうだけど・・・なぁ、別に何もしやしないさ。ただどんなかなぁって。なぁいいだろう?」
今まで自分の下着どころか髪型さえ無関心だった夫の言葉に、妻も少し動揺しながらも
「ええ、あなたがそこまで言うなら・・。でも見た拍子に笑わないでね。そんなことしたら怒るわよ?」
うなずく私を見ると、立ち上がってゆっくりパジャマのボタンを外していきます。

(あぁ・・・こんな淫靡な姿になるなんて・・・)
スタンドの灯りに浮かび上がる長年連れ添った妻の裸体、いや正確にはそれを魅力的に映し出す下着のマジックに私は息を飲みました。白い肌に、その赤いブラはよく映え、むしろ妻の形よい乳房を更にツンとボリュームを増したかのように彩っていました。そして同色のショーツは妻の秘部だけをかろうじて隠す程度の面積でしかなく、それを支える細い紐(としか言えない細さ)は、くびれた腰に引っかかっているに過ぎませんでした。
「どうしたの?ため息なんかついて。幻滅したんでしょう?もう・・・」
私の表情を誤解した妻は、不機嫌そうに見つめます。
「い、いや。そうじゃない。むしろ似合いすぎてて驚いてるんだ。自分の女房が別人みたいに見えてな・・・」
「うふふ、やあね。もう・・・今更お世辞?」
機嫌を直した妻は見上げる私の前で背を向けるようにターンしました。
「若い子ってこんなの穿くのねぇ。なんかお尻がスースーして落ち着かないわ」
それはいわゆるTバックと呼ばれるもので、尻の割れ目だけを覆っているようにしか見えません。
「すごいな・・・」
圧倒された私にはその言葉しか出てきません。
「寒いわ。もういいでしょう?」
妻はそそくさとパジャマを羽織ながら
「それとも・・・興奮してるんでしたら、今日だったら・・・」
と夫婦でしか分からない言葉を投げかけてきます。
「あぁ・・・久しぶりだしな・・・」
私は羽織った妻のパジャマを剥ぎ取るように、別人のような目の前の女性を押し倒していきました。

〔今日は晩くなります。ご飯は冷蔵庫に入っていますので温めて食べてください。由里菜は今日から大学のサークルの合宿ですので。追伸:昨晩のことは気にしないでください。〕

会社が休みでもある翌朝、起き出したものの家には誰もおらず、妻の書置きだけがテーブルにおいてありました。私には追伸の文字だけが痛く心に突き刺さりました。あの後、いざそのときになって私のペニスは何の反応もしなかったのです。妻は不完全燃焼のままにも関わらず、そんなことはおくびにも出さずにむしろ慰めの言葉を出すたびに、更に私の男としての自信が薄れていくのでした。
(情けないなぁ。俺も年なのか・・・)
簡単に食事を済ませると、洗面所で歯を磨きながら、鏡に映る自分の年老いた顔に呟きました。そして鏡の端には、昨晩着けていたあの下着が洗濯カゴに置いてありました。
(あんな派手な下着を着ても俺は勃起出来ないなんて・・・)
ぼんやり思いながら、今日もまた地味ないつもの服や下着を着けて出かけたであろう妻を不憫に思い始めました。
(そうだ。お詫びに俺もあいつに下着のひとつぐらいプレゼントするか)
結婚以来、考えたこともなかったそんな思いつきに自分で苦笑しながらも、女性の服のサイズさえ知らない自分に気づきました。
(待てよ。今、着ているものを見ればいいだけじゃないか)
私は初めて、妻の下着が仕舞ってある箪笥の引き出しをゆっくり開きました。

(どういうことだ!?いつの間にこんなに・・・)
そこには私が知っている妻の下着とはかけ離れた、鮮やかな色彩の下着が丁寧に置かれ、隅の方にわずかに、私がよく知る地味な下着が置かれているだけでした。黒・紫・赤・銀・・・恐々と手にとり広げると、中には胸を隠す部分さえ無いものや、ショーツに至っては股間の秘部がブリーフのように開くものさえあります。私も朴念仁ではありませんから、それが週刊誌のピンクページなどで見る、男を誘うための下着ということがすぐに分かりました。
(まさか俺を誘うために?いや、だったら今までにも昨晩みたいなことがあったはずだ・・・)
底知れない不安感と共に、あの日のラブホテルから出てきた助手席の女性がやはり妻だったのではと確信に変わっていくのでした。
(あの日・・・妻は、弥生は・・・あの男と会っていたんだ。あの男の前でこれを着て・・・)
頭の中には、夢で見たあの光景が。むしろいま手に持っているこの下着を着けて若い男をベッドへ誘う、妻と同じ顔をした別の女性がリアルに浮かんでくるのです。
(ちくしょう!!)
目の前の下着を引き裂きたい思いに駆られながら、しかし私は気づいたのです。その空想によって自分の股間が久しぶりに脈打つ感覚を。

妻への疑念を抱いたまま約束の2週間が過ぎました。
再び興信所からの連絡を受けた私は会社帰りに訪れると、今度は奥の応接室に通され先日の愛想の良い男性から「報告書」の題名からなるファイルを渡されたのでした。
「まず結論から申し上げますと、娘さんとは別に対象者が付き合っている女性がいることは確かなようです。ただ娘さんも、対象者とはまだ友人の域を出ていないようですので私共と致しましては親御さんのほうからそれとなくアドバイスされるような形で、あまり深入りされないようされるのが一番の得策ではないかと思いますが・・・。」
渡されたファイルには今井という若者の生い立ちが克明に記されており、それを見ると隣のS県の進学校出身で、高校時代は陸上部のキャプテンとあります。また実家は父親が代々の地主であり、その不動産を活かして建設業を営んでいるなど、かなり裕福な家庭のようです。
「母親とは死別とありますが?」
現在の母親は継母との欄を見て尋ねると
「ええ。対象者が9歳のときに交通事故で亡くなったようです。その2年後に、父親の会社に働いていた女性と再婚しています。ただ、それが理由で家庭不和のようなことは無かった様で、腹違いの弟さんや妹さんもいるようですが、兄弟仲も非常にいいようですよ」
(つまりよくできた好青年というわけか・・・)
意外な調査結果に肩透しを喰らったような気持ちでプロフィールを眺めながら
「それで・・・彼は実際、今はどんな女性と付き合ってるのでしょうか?」
個人的には最も興味のある質問を投げかけると
「えぇ・・・それは今回の調査ではちょっと・・・」
と愛想のいい表情を曇らせて口ごもる担当者。私は
「正直に言ってください。それが分かってるから、先程の結論になったんですよね?」
しばらく考えるような面持ちでいた担当者は意を決したのか
「わかりました。でもその前にひとつだけ質問させてください。本当に今回は娘さんの彼氏を調査することが目的だったのですか?」
どうやら私が考えてることが当たったのでしょう。私は
「とすると違う結論が出たのですね?」
頷きながら調査員は懐から茶封筒を取り出し、その中から写真を取り出しました。
私はテーブルに並べられていく写真を見ながら、そこにはどこかのラブホテルの駐車場から出てくるあの軽カーを正面から写した姿に釘付けになっていきました。運転席にはあの若者が。そして助手席には大き目のサングラスをした真っ赤なルージュを引いた中年の女性が俯き加減で座っています。
「この女性の説明は必要ないかと思いますが・・・」
そう。そこには妻の弥生の姿がはっきりと写っていたのです。
「この女性はこのあと、近くの駅前で降りて電車で自宅まで帰ったところまでを尾行調査致しました。住所は・・・必要ありませんよね?私たちもこの結果を何と申し上げていいのか・・・」
分かっていたこととはいえ、やはりはっきりと証拠を突きつけられると、私の体は深い穴に落ちていくような衝撃を感じざるを得ませんでした。
「ただ、この調査期間でもこの女性と会ったのは写真にある一回きりでして。頻繁という表現には・・・。」
私の気持ちを察してか、調査員は労わりの言葉を投げかけます。写真の右隅には撮られた日付があり、壁にかかるカレンダーの日付を見た瞬間、再び大きな衝撃を受けるのでした。
(こ、この日は!!あの書置きを残して出かけた日じゃないか!?)
「この写真は、いやこの日はどこでどんな風に?時間とかもわかりますか!?」
私の表情に何かを察したのか、調査員は
「ええ。報告によると朝の10時半に錦糸町の駅前で車に乗り込むと、そのままこのホテルに。出て来たのはそれから3時間後ですね」
偶然なのか、それともどちらが誘ったのか・・・。そんなことは問題ではありません。分かっているのは、妻が不完全燃焼の肉体をこの青年に投げ出し、悦楽を味わったという事実だけです。
打ちのめされた私に調査員は恐る恐る
「あの・・・それで如何致しましょうか?このまま調査を継続するか、もしくは打ち切りに・・・」
私は
「もう少し決定的な証拠はとれないでしょうか?その・・・会話とか映像とか?」
調査員は意外な私の返答に
「それはどういう状況のでしょうか?たとえば食事をしている最中のとかという意味ですか?」
「いえ。はっきり言います。私の妻がこの男にベッドの上で何をされているのかという意味です」
困惑した表情の調査員は
「それは・・・それは正直申し上げて不可能に近いと思います。お二人がいつ、どこへ行くのかも分からないですし・・その、何かをするときに部屋に入るわけにもいきませんので」
確かにその通りです。まさか付きっきりというわけにもいかないでしょう。まして私のヘソクリ程度では限度もあります。
「ただ・・・どうしてもと言うなら、ご自身でこれを使ってみませんか?」
調査員は後ろの戸棚を開けると、小箱を取り出しテーブルに置きました。
「いわゆる盗聴器と呼ばれるものです。少し古いタイプですが、それでも非常に小さなものですので、例えば奥様のバッグ等に忍ばせてという使い方は可能ですけど・・・。ただこれはお安く譲る代わりに私どもでは結果を含め、一切関知は致しません。そのお約束を守っていたただけるのが前提です」
箱を開けると、イヤホンのようなものと線がついたアダプターのようなものが入っています。

帰りの電車の中で、盗聴器の入った営業カバンを持つ私は、使い方を教えてくれた調査員が最後に言った言葉を思い出していました。
「こんな商売をしていて何ですが、やはり知らないほうがよかったということが世の中にはたくさんあるものです。ですので少しでも迷われてるなら、お止めになったほうがいいと思いますよ」
確かにそうでしょう。妻を奪われて嫉妬に苦しむ夫への言葉ならば。だが、私自身の気持ちは既に違う感情が支配していることまでは彼には想像も出来なかった筈。不能な私の代わりに、女として新たに開花させられた妻の雌としての姿だけが、今の私の最大の喜びになりつつあることを。

帰った私をいつものように妻の弥生は出迎えます。
「どうしたの?そんな青い顔をして。何か会社であったのですか?」
知らず知らずのうちに思いつめた感情がそんな表情をさせていたのでしょうか。
「いや、そういうわけでは。でも少し疲れたな。俺も48だぞ。」
しいて作り笑顔を見せる私に
「だったら私だって45のおばちゃんよぉ?でもほら、こんなにスタイルいいんだから。うふふ、まだ30代でもいけるかしら?」
冗談で玄関先で小柄ながら均整のとれたボディでポーズを見せる妻。心なしか胸は以前よりふくよかになり、腰のくびれから尻にわたるラインは若い頃より色気を放っているかのように見えます。
思わず見つめる私の視線に
「あら、いつものように年甲斐もないって言わないの?やっぱりどこか具合でも・・・」
と、夫の見慣れた言動と違うことを気遣いました。
「そんなことはないよ。ただ改めて見るとお前だけは若返っていくように見えてなぁ」
「どうしたのよ、本当に。変な人?それでお食事はどうします?」

先に寝室で休みながら、遠くで妻がシャワーを使う音が聞こえる中、私はやはり迷っていました。が、自分の欲望に突き動かされるようにカバンの中から例の盗聴器を取り出すと、そのアダプターのような物のスイッチを入れました。そして妻が愛用する外出用の大きめのヴィトンのバッグの中にある長いこと使われていない内ポケットにそれを忍ばせました。わずか1~2分の作業でしたが、終えた私の背中には汗が滲んでいました。そしてさっき言った妻の一言を思い出します。
「明日、またこの間のお友達とお昼を食べることになったんですけど、あなたのお加減悪いなら止めておきますけど・・・」

翌朝は2週間前の、あの朝といっしょでした。書置きには食事が冷蔵庫に用意されていることと、保険証がいっしょにテーブルに置かれ、具合がひどいようなら病院に・・・との内容でした。時計を見ると10時を少しまわっていました。もしこの間といっしょなら・・・そう、これからあの男と会う時間でしょう。私は我慢して時が過ぎるのを待ちました。

10時40分・・・私は妻の携帯に電話します。3コールほどして妻が出ました。
「あら、あなた。何かありました?」
「いや、風邪薬があったら飲んでおこうかと思って探してるんだけど」
彼女は特に焦った風もなく、いつもの口調で常備薬の置かれた棚を伝えると
「私も遅くならないように帰りますので・・・」
と心配げに電話を切りました。

それからの数時間の何と長かったことか・・・。
妻は3時頃に私の好物の葛餅を持って帰宅しました。
「あなた、大丈夫ですの?お薬は飲みました?」
心配する私に近づく妻からは、やや強めの甘い香水の香りが漂います。
「ああ。結局、飲むのは止めたよ。一度飲むとクセになるしな。それにあのあともう一眠りして大分よくなったし」
「そう?だったらいいけど・・。葛餅買ってきましたから後でお茶でも淹れますわ。レストランのタバコの煙がひどくて。先にちょっとシャワー浴びてくるわね」
脱衣所の扉がしまり、しばらくしてシャワーの水音が勢い良く聞こえだすと、私はソファに置かれたバッグを開けました。内ポケットのファスナーを開くと、電話と共に録音が開始したことを知らせる緑のランプが点滅した盗聴器が見つからずにありました。安心してファスナーを閉じると、私はバッグの中を罪悪感を感じながらも漁りました。やはり写真で見たあの、大き目のサングラスと大き目の巾着袋。
(やはりそうか・・・)
と思いながら、巾着袋を開けると、中には黒に金の縁取りがされたシルクの淫靡な下着が丁寧に畳まれて入っていました。それらはガーターベルト等とセットになっており、決して安いものでは無いのも私には何となく分かりました。さらに、ショーツの股間にはまだ生乾きの白い粘液のようなものが付着しているのを見つけた瞬間、思わず鼻を近づけました。それは男なら誰でも知っているあの栗の花のような独特な淫臭が強く立ちこめており、その事実は妻の体内に欲望が注がれたことを物語るのに十分な証拠です。
(俺を気遣う素振りをしながら、影で若い男の精液を直接注がれて・・・)
それが無理やりなのか、はたまた合意によってか・・・。ばれない様に下着を元に仕舞った私は、点滅する盗聴器のスイッチを切ると、寝室の営業カバンに震える手で仕舞いました。

その日は週末のアルバイトで遅い由里菜も夕方には帰ってきて、久しぶりの外食に出かけることになりました。
「あなた、お体は本当に大丈夫なの?」
せがむ由里菜を脇目に妻は心配げに聞いてきます。
「ああ。それにたまには俺も家族サービスもしないとなぁ」
内心のやましさを私は、家族サービスという言葉でかき消そうとしていました。

女の外出の用意というのはいつも時間がかかるもの。それも女が二人なら尚更です。案の定、娘は近所のファミリーレストラン程度に行くにも関わらず、何を着ていくかで騒いでいます。更に、用意の終わった妻の地味な服装を見て
「ママ、ちょっとぉ!?せっかくだからもっとお洒落すればいいのに!!いいわ、私が選んであげる」
と苦笑いする妻の背中を押して、着替えの置いてある部屋に入っていきました。
(やれやれ・・・。これじゃいつになることやら・・・)
居間でソファに座りながら新聞を広げていると、奥からは
「ママ、これいいじゃない!!」「こんな服持ってたんだぁ!!」
等と娘が興奮気味に色々とコーディネートする声が聞こえてきます。

「お待たせ!!行こうよぉ」
由里菜は元気な声とともに居間に戻ってくると、私の耳元で
「うふふ、パパびっくりすると思うよぉ」
と意味ありげな笑顔で囁きました。そして
「あなた、お待たせしました。さぁ、遅くなると混むから行きましょう?」
と妻が居間に入ってきます。
(えっ!?)
そこには先ほどまでの、というより今までの地味な服装の妻では想像もしなかったセクシーな女性が恥ずかしそうに立っていました。
「す、すごいな・・・どうしたんだ、弥生・・・」
思わず新聞を取り落としそうになりながら、視線は妻の姿に釘付けです。
「うふふ、見直しちゃったでしょう?ママったら知らない間に結構いろんな服持ってるんだもん。着ないと勿体無いよって言ったの。やっぱり正解だったでしょう、ねぇ、ママ?」
紫の薄手でタイトなワンピースは、妻の肌にぴったりと吸い付くようにして、その体のラインを否が応でもくっきりと強調し、それを見る者に裸体を容易に想像させるようなものでした。腰の幅広の銀のベルトは華奢でくびれた腰を更に強調し、そのすぐ下へと伸びる肉感的なヒップへの魅惑的なラインに思わずため息がこぼれそうです。しかも丈も今まで膝下まで伸びたものしか目にしたことの無い妻の服装とは打って変わり、サイドのスリットからは今にも黒のストッキングに包まれた太ももが艶かしく見え隠れしていました。
「どうしたんだ、こんな服?」
私に見られて恥ずかしいのか、顔を赤らめた妻の前に立って私は質問しました。
「昔、由里菜が中学に入学するときに着ようと思って買ったんですけど勇気が無くて・・・。そのまましまってたの・・・」
妻を見下ろす私の視界には、開いた胸元から黒のブラに強く包まれた胸の谷間が静かに息づいています。その白い肌とのコントラストに私は生唾を飲み込むような思いでした。
「ねぇねぇ、パパも思わない?なんかママってちょっとスタイルがエッチな感じになったとかって」
昨晩の私の思いとまったく同じことを娘も感じているとは・・・。だがこの姿を見るとその言葉に頷くしかありません。
「パパもママを大事にしないと、浮気されちゃうかもよぉ?キャハハ」
悪意無く笑う由里菜を、妻は睨みつけるように
「そんなこというもんじゃないわよ?あなた、やっぱり私着替えてきますわ。こんな格好、近所の方に見られたら・・・」
戻ろうとする妻に私は
「いいじゃないか。俺だって綺麗な女房を連れて歩きたいもんさ。さぁ、もう行こう」
玄関で娘が選んだヒールの高い靴を履く妻の後姿を見ながら、改めてその肉感的な体に興奮していきます。そして心の中ではこんなうめき声をあげていきました。
(弥生、お前は・・・その体をどんな風に抱かれたんだ?どんな風に愛撫されたんだ?あの男の手はお前の胸を揉みしだいたのか?腰をどんな風に・・・。あぁ・・・お前の体は若い男のエキスを吸ってますます色香をはなっていくつもりなのか・・・)

近所はいやだという妻の言葉に、私は車を都心のホテルに入っている落ち着いたイタリア料理の店へと向けました。週末にも関わらず不況からか空いており、すんなりと席についた私たちの前には薄暮に染まる眼下の雄大な景色が広がっています。
普段は飲まないアルコールに、妻は顔をほてらせながら娘の学校の様子などを楽しそうに聞いていました。そして話題は例の今井という若者のことに。私は
「そういえば由里菜は今井君とはもう付き合ってるのか?」
と尋ねました。もちろん真実を知る父親としてこのことだけは譲れない気持ちです。
「どうなのかなぁ。本当言うと私にもわからないの。私は好きなんだけど、なんか煮え切らないっていうか・・。もう知り合って半年近くになるし、あっちだって私の気持ちに気がついてると思うんだけど・・・」
「誰か他に好きな人でもいるんじゃないか?だったらやめといたほうがいいんじゃないか?」
私はやんわりと深入りすることを避けるよう言うと
「そうなのかなぁ。でもいっしょの男友達に聞いてもそういう影は無いって言ってたし。それにあの見た目だもん。告白されて断る女の子なんていないと思うんだけどなぁ・・・」
私は微笑みながら会話を聞く妻に、不意に
「お前から見て彼はどう思うんだ?」
と尋ねました。妻は
「そうねぇ。誠実そうだしいい方なんじゃないかしら」
と当たり障りの無い返事をします。私は更に
「そうじゃなくて女として見た場合ってことだよ。やっぱり魅力的にうつるものなのか?」
妻も由里菜も目を合わせて次に大笑いしました。
「やだ、パパったら!!ママに聞くことぉ?」
「そうですよ、あなた。男性としてだなんて」
私は自分の質問の愚かさに気づき
「ははは、そうだな。こりゃ俺の質問が間違ってた」
と照れ笑いする始末に。妻は笑いの納まらない由里菜に向かって
「由里菜、今井さんが本当に好きならママも応援するわ。とってもいい方だとママも思うわよ」
母親の理解ある言葉にうれしそうに頷く由里菜へ更に
「たとえ今井さんに好きな女性がいても、由里菜なら大丈夫よ。きっと振り向いてくれるわ」
と。だが長年連れ添った私には分かるのです。妻がなぜか勝ち誇ったようにワインを飲む表情が普通で無い事に。

支払いを済ませた私たちはホテルのロビーに降り立つと、私は
「ちょっとトイレに行ってくるから待っててくれ」
と二人をそこに残し離れました。トイレの入り口で振り返ると、遠目に見える二人の姿はどこか姉妹のようにも見え、グラマーで派手な雰囲気の娘の姿も相まって、見ようによってはクラブの若いホステスと店のママとも思えます。小用を終えて再びトイレを出てくると、妻の弥生だけがポツンと立ちすくんでいます。外人の女性なども行き交うホテルのロビーの中で、それでも色鮮やかに際立つ衣装の弥生は、そこから見ていると本人は気づいていないものの男性の視線を浴びているように思えました。体のラインを強調する年増の女性、それも恥ずかしげに佇む姿は男にとって食指をそそるのに十分なのでしょうか。見とれてる私の後ろから不意に
「パパ、どうしたの?」
と女性トイレから出てきた由里菜の声が響きます。
「あぁ!?もしかしてママに見とれてたとか?」
思わずドキッっとした私に、由里菜は笑いながら
「でも分かるわぁ。娘の私から見ても今日のママって綺麗だもん。さっきあそこに一緒にいてもなんか、みんなママのほうばっかし見てるんだもの。なんか女として自信無くしちゃいそうだよぉ」
とため息交じりで母親を見つめて呟きました。
「そうなのか?でもパパもママに服の一枚も買ってあげなかったからなぁ。もっと前から気遣ってやればよかったと少し後悔してるんだよ」
と答えると、
「服って言えば、あのさぁ・・・本当は言おうかどうか迷ってたんだけど。実はママが今着ているあの服ね、今年の服だと思うよぉ。ほら私、ショップでバイトしてるからそういう雑誌とかもよく見るし。着替えるときにブランドタグも見たから間違いないよ。てっきりパパがプレゼントしたのかなぁって。恥ずかしいから二人が私の前で演技してると思ってたの。でも・・・。あんな高い服、ママどうしたんだろ・・・」
下着だけでなく、服まで・・・私には知らない事実がこの数日間で幾つも明らかになっていく衝撃に私は眩暈がする思いでした。
(何かある・・・いや、絶対に私の知らない弥生の姿が。やはりあれを聞くしか・・・)
聞くべきか迷っていた、あの盗聴器に録音されている真実への誘惑が私の頭をよぎります。

週が明けた月曜日。私はカバンに入った盗聴器の記録を聞くために、仕事途中で降りたさびれた駅のトイレに入ると、便座を降ろして座り込みました。イヤホンをその盗聴器に挿すと、スイッチを入れ、教えられた操作でボタンを押します。そこにはややくぐもった感じがするものの、予想以上にはっきりとした生々しい声が記録されていました・・・。

「旦那さんですか?なにかあったのなら・・・」
「ううん、大丈夫みたい。でも今日はそんなにゆっくり出来ないかも」

(数秒して含み笑い)

「そんな顔しないのぉ。マーくんとの時間が私にとって一番大事なんだから。ねぇ?」

(しばらくして甘ったるい声で)

「あぁ・・・すごい・・・はぁぁ・・だめぇ、まだシャワーも浴びてないのにぃ・・うふふ」
「そんなこと言ったって・・こんな格好されたら僕・・・」

(しばらく遠くで物音)

「はぁぁ・・・あっ・・あっ・・・」

(チュパチュパと何かを吸う音)

「はぁぁ・・あぁ・・いい・・・あぁ・・・」
「あぁ・・最高だ・・・最高だよぉ・・ママぁ」

〔ママ!?いったい何のことだ?〕

「はぁ・・はぁ・・・ねぇ・・お願いよぉ・・・あぁ・・・あ、あとで・・・」

(部屋を歩く音がして15分ほど無音)
(扉が開く音。ベッドがきしむような音。何かを飲むような音)
(テレビの音がして5分ほど)
(扉が開く音。テレビの音が消える)

「うふふ・・・お待たせ。どう?これ」

(数秒して)

「あぁ・・すごいよぉ。よく似合ってる。ママ、素敵だよ!!」
「うれしいわぁ、そんなこと言ってくれるのマーくんだけだもの・・」

(あきらかにキスをしているような音がしばらく響く)

「うふふ・・・もうこんなに。ねぇ?本当にしてなぁい?」
「うん、ママとの約束だから・・・」
「うふふ・・・」

(何かゴソゴソとした物音)

「はぁぁ・・・(男のうめき声)」

「あぁ・・あっ・・いい・・感じるよぉ・・・すごいぃぃ・・うぅぅ・・・」

「はっ・・はっ・・はっ・・・」

(男の喘ぐ声に混じって、しばらくするとヌチャヌチャとした淫靡な物音が)

「あはぁ・・・そんなぁ・・はぁ・・・そんなところまでぇ・・・ぐぅぅ」
「はぁぁ・・ママ・・・いきそう・・あぁ・・そんな目で見つめられたらぁ・・いきそうだよぉ・・・」

(男の快感は止まらないのか、肉の音と共にうめき声がしばらく続く)

「あぁ・・いく・・いく・・いくよぉ・・はぁぁ・・・いくぅぅ!!あぁぁっぁぁあぁぁ!!」

(うめき声が止み、男の荒い呼吸がしばらく)

「あぁ・・・そんなことまで・・・すごい・・ごめんなさい・・・出しちゃって・・・」
「うふふ(女性のくぐもった笑い)」

「えっ・・飲んだの」
「だってマーくんの大事なものだもの・・・濃くて美味しいわぁ・・・こぼしたらバチがあたるもの」

(しばらくキスのような音が続く)

私はいったんスイッチを止め、深いため息をつきました。既に30分以上が経過しており、その間もトイレをノックする音に、これ以上はここいられないこともありました。そして情けないことに聞きながら、私は今井という若者が体験した快感を自分に置き換え、いや同化する思いで何十年としていなかった自慰行為を行い、果てていました。